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新しい一叢‥

夏の始まり、大気は様々な木々草花の匂いに濃密さを増します。
そんな中でもひときわ強く香って存在を知らせる‥ ノイバラはそんな花の一つです。

ノイバラはそこいら中にあって、決まって訪ねる株も多い花ですが、今年もそんな場所が増えました。

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仕事場から数分のこの場所は、かつては小さな一枚の田んぼでした。
取り除くことも叶わなかっただろう大石が、かつての苦労を物語っているようです。

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谷地気味なこの場所は、芹やミゾソバなどが覆っていたのですが、
少しづつ乾きの進む中で、この夏小さな一叢として姿を顕わにしました。

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幹を持たない蔓性のノイバラは、他の木々にもたれ絡むことも多いのですが、
こうして自ら弓なりにしなって、小さなドームの形に立ち上がるのにあらためて気づきます。

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ノイバラの花が完全に美しいのは、ただ一日であるかもしれません。
その花を誇らしげに空に突き上げているように‥ 私には見えたのでした。



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# by moraisan | 2021-06-13 23:40 | 山野草・樹木 | Trackback | Comments(2)
初夏‥    ヒレアザミ
一年で最も日照の長い季節となりました。
四季が曖昧になったと感じ始めたのはいつ頃からであったろうか?
確かに四季は巡って来るのだが、荒々しく足早で余韻がないまま過ぎていく気がします。
そろそろ初夏の頃とはいいがたいかも知れないが、写真は5月末のもの
この花が咲き始めるとと苦手な夏が来たと観念する‥ そんな花である。

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周りでは道端から、休耕地、林の縁までどこにでも普通。
かと言ってどこにでもあるという風でもありません。

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近年増えたと感じる白花は、時に群落をつくっていたりします。
赤花のヒレアザミと棲み分けているようで、隣り合って咲いていたり

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こちらが基本種となる赤花のヒレアザミです。
午後の日射しは思いのほか強く、少しうなだれているようでありました。

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古い(史前の)帰化植物とする記述を多く見ます。
史前? であれば、こちらが帰化動物であるような‥ しかも厄介な。


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# by moraisan | 2021-06-05 07:25 | 山野草・樹木 | Trackback | Comments(0)
ツリバナ‥

日に日に緑は濃さを増して、森に至る斜面の林も暗くなってきました。
鹿の方が多く歩くだろう踏み跡のような道を登るのですが、途中何本ものけもの道が枝となっています。
そんな枝道の最初の分岐を見たすぐ先に、必ず足を止めるこの木があります。

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周りのケヤキやコナラの葉が伸びきれば、この場所も暗く沈みます。

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互いに時が経ち、今では手の届く花はすっかりなくなってしまいました。

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急な斜面に周囲の木々も高いので、このツリバナは他よりずいぶん背丈が高いのです。

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一斉には咲かない花の時期はあんがい長くて、こちらの気持ちもゆったりします。

秋、赤い実が緑の葉の内に始まって、その複雑に染まる葉が落ちる日まで‥ それは変わりません。


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# by moraisan | 2021-05-17 21:43 | 山野草・樹木 | Trackback | Comments(0)
イカリソウ‥

急かされるように季節が進んでいきます。
春の花の写真の整理もつかぬうちに、もうこの花か‥ と思うこの頃です。

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歩く森のヤマツツジの蕾が赤くなるころ、少しの距離この花の案内する路になります。

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葉縁に紅を刷くものが私的には好ましかったりするのですが、この日は適当な株に会えませんでした。

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花の絵を描いてみてと言われて、この花に似た絵を描く人は皆無では?
『錨草』知ればその名とその姿を忘れられない‥ そんな花であろうかと思います。



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# by moraisan | 2021-05-15 13:57 | 山野草・樹木 | Trackback | Comments(2)
青い花‥

節季は立夏。 一年待って出逢えた花たちの多く、見送った花のまた多く。

どこにどんな花が咲くのかはわかっている‥ そんな場所だけを歩いている。
記憶のままに安堵したり、時にはそれを書き換えながら‥ そうしてこの春も過ぎた。

天空の青、海原の青‥ そもそもこの地球(ほし)は青く浮かぶことを知ってはいる。
なのに地上に『青』は存外少ない色だと思う。 出逢うと心躍るのは今も変わらない。


ヤマエンゴサク‥
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フデリンドウ‥
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キュウリグサ‥
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ホタルカズラ‥
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青・ブルーは不思議な色であると思う。
内面の複雑な感情を表す時には、概ねマイナスなイメージの例えとなる。

ただ目に映る青は、小さな幸運に巡り会った気がする(私の場合はであるが)

いかがであろうか‥


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# by moraisan | 2021-05-13 06:23 | 山野草・樹木 | Trackback | Comments(0)