カテゴリ:山野草・樹木( 326 )
ひそやかに咲くものたち‥  

続いた高い気温に耐えかねたように多くの桜が一斉に咲きました。 
そしてその直後の低温はわずかに雪さえ舞わせて、寒い一日を迎えました。
こんな年の桜はその花びらにのびやかさがなくて痛々しいものです。 
何本かの桜の下に立ちながら長居もできず、いつもの段丘斜面を落ち葉に足をとられながら登ります。

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遠目にもそれと気づく桜たちとちがい、こちらはいつも景色に隠れるように咲いています。


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私には花を待つ気持ちがあります。 ただ‥共に待つものがあったことを花は私に教えます。


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ちょうじざくら(丁字桜)の名はその花の姿から‥


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出逢った頃には腰を落としていたこの木が、今は見上げる高さになっています。


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不規則で混沌としているようで、そこには不思議とリズムさえあるのを感じます。


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うぐいすかぐら(鶯神楽)の名は鶯隠れからとも‥ ただ作る藪はあんがい疎ですが。



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by moraisan | 2018-04-10 01:44 | 山野草・樹木 | Trackback | Comments(2)
足早な春の日に‥    ハヤザキヒョウタンボク

初夏のような陽気を受けて、春が足早に駈けぬけていきます。
三日先と思っていた光景がすでに昨日のことになっている‥ そんな春です。

この花もタイムラプスの早回しよろしく咲いてしまって、コマ落ちのはげしいこの春です。

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目の前にこんなに確かにあるのに、写真に撮れば景色に消えてしまいます。

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ずっと気にしていたようなふりをして‥ 『ずっとここにいたよ』と 小さな木は笑います。



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by moraisan | 2018-04-03 01:12 | 山野草・樹木 | Trackback | Comments(4)
翡翠の細工‥    カラマツの花

遠目にもカラマツの梢の色が変わり始めました。
まだ葉の展開には間がありますから、その正体は花です。

次々と咲く春の花たちに比べれば、ひかえめで地味なその花ですが‥
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光の中に見るならば それらが上等な翡翠の細工であることがわかります。

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上向きにつくのが雌花、下向きに多くつくのが雄花です。



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by moraisan | 2018-04-01 22:07 | 山野草・樹木 | Trackback | Comments(8)
遡る春‥

狂い始めた気候に歯止めがきかない。 こんな中部の山間地でも、一昨日は夏日の気温。
年度末の忙しさに翻弄されている間に、河畔や中洲の柳など既にぼうと明るく霞み始めました。

もうそう何度も‥ いえ、この一度限りかもしれない春ですから
幸い少しは時を遡れる地の利をいかして、細い谷(ミソサザイの谷)に足を運びました。

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例年より二週間近く早いでしょうか‥ それでもこの谷に入れば気温は数度下がります。

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ヤマネコヤナギです。今年も春の嵐に多くの枝を折りながら、多くの花を温かい和毛の中にまだ守ります。

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いつもなら足をとられる雪も、この春は日陰にわずかに残るのを見るだけでした。

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ここに訪ねるヤナギは主に二本。今春は双幹のこちらの木の花つきが良いようでした。

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私が 声なき声を聴く瞬間かもしれません。

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梢は高く、その幹以外は触れることも間近に見ることもかないません。 その距離は年々ひらきます。


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谷の入口付近で‥
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by moraisan | 2018-03-31 08:18 | 山野草・樹木 | Trackback | Comments(12)
山起こす花‥  ダンコウバイ           

花曇りの温かな日でした。
木々の芽が遠目にも膨らむのに誘われて、段丘斜面を登りました。
思ったほど春が急いでいないことに少し安堵しながら、落ち葉に足をとられながら進みます。

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この里山の最初の彩りは、決まってダンコウバイです。 ようやく花芽を開き始めたばかりです。

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まだ青みを残した花が浅い春を知らせています。 予報ではまだ雪も降るようですから‥



薄日に温まった斜面に寝転んで休んでいると、小さく蜂の羽音が聞こえてきます。
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なるほど、高いところに早い花が咲いています。 この花が山を起こす日がそこまで来ています。



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by moraisan | 2018-03-18 22:52 | 山野草・樹木 | Trackback | Comments(6)
3月11日の花‥   セツブンソウ

あれから七年の時が過ぎました。
オリンッピクイヤーということもあったのか、関連する報道は少なかったように思います。
3月7日のNHKスペシャル『被爆の森』
あの日私は被災者ではなかった。 でもあの日、確かに加害者にはなったのだと思い知る。
今日大飯原発3号機臨界。 6基目の原発が稼働しようとしている。

3月11日、今年も同じ日にこの花を訪ねました。

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その年最初に出逢った花は、何も考えずにただ見つけた嬉しさの距離で撮ります。


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このか細くて小さな花が、どうしてさきがけて開くのか不思議に思ったこともあったけれど‥


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今この時だけが、この花たちが光を受けられる時なのだと 今はよくわかります。


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この花は光を追ったりはしない。 とぎれとぎれの木漏れ日を思い思いに待つという風だ。


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「昨日までは雪の中で咲いていたんですよ」 土地の「育てる会」の方が教えてくれました。


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初めて見たのも雪の中で咲いてたのを思い出す。 咲き揃うと一面雪が降りたように白いとも。


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水だけで立っているような茎はわずかな光に透けている。 良く見ればスプリングの仕掛けもある。


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この大きなシダ(ヤブソテツ?)が大きな葉で空を覆わないうちに咲くんだな‥


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僅かに覗く南の空に雲が広がりだした。 暗くなる前にポートレートを撮らせてもらう。


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間もなく斜面は暗くなって、ずいぶん遠くのスポットライト。 ‥この日最後の一枚となりました。



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by moraisan | 2018-03-15 23:14 | 山野草・樹木 | Trackback | Comments(2)
春拓く花‥

  四季というものがある‥ と意識したのは もうどれほど昔のことだろう。
  気温や天候の変化、移ろう景色の色や匂い、鳥獣たちや虫たちの営み‥ また時々の人の行事など
  不変のよう思われた歳時の時と共に移り変わるのを見続けてきたら‥ どうも四季も怪しい昨今です。

  それでも静寂に過ぎた冬を小さくこじ開けて、この花は春の水車を回しだす。

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この花はいったいどんな仕組みに体温を得て、周りの雪を融かすのだろうか‥

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ひとたび顔を出せば、それはワームかヘビのように身をよじり‥

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そして立ち上がる。 およそここまでの姿は、植物というより動物のようだ といつも思う。

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続々と立ち上がり雪解けの地面を席巻する様は、なんだか違う星にでも迷い込んだような気にさせる。

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ただその花が開くなら、その完全さにため息をつくほかはないのだけれど。

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一面にこの花が咲く時は短い。 でもこの花の創る世界がそこに拡がる。 無言のままに。
     (もうこの世界など彼らに返してしまったらいいのかもしれない)

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この日(3月4日)気温は早20℃を超えました。 花いのちを促す気温、おさまってくれるといいのですが‥

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日本ミツバチが頻繁にに花を訪ねます。 まだこぼす花粉も僅かなのを 一粒づつも拾うように集めます。

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残念ながら、ずいぶん野山に遊んで来たのに 『妖精』の類に出逢ったことがありません。
『そんなもん、おらんわい』 杖突くご老人の姿で この花が笑います。



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by moraisan | 2018-03-06 19:05 | 山野草・樹木 | Trackback | Comments(8)
大好きな花‥ あずまいちげ

  漢字で書けば東一華。 何ともさっぱりした名をつけたものだと思う。

  以前この花を記事にした時に、この花は春を約束するのだと書きました。
  これほど気候が変わってしまい、木々草花の咲き順が以前と変わってしまっても‥ この花は不変。
  もう強い霜は降りないし、積もるような雪は去りました。 そう私は この春も信じて少しも疑いません。

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  こんな高い山里にも初夏の陽気がやって来ましたから、この花でさえ振り乱す勢いで咲いたのだと思います。

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  私は花を人に例えたりはしません。 ただその花を見る時に思い浮かぶ顔があったりはします。

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  この花に重なるひとりの友の顔があります。 だから私にとってこの花は その友の笑顔と共に咲く花です。



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by moraisan | 2017-04-19 04:09 | 山野草・樹木 | Trackback | Comments(2)
堅香子‥ かたかご

  堅香子‥ いうまでもなくカタクリの古語になる呼称。
  その名に由来や意味を知るのもおもしろいのだけれど、それよりはただその音にこの花が重なる。
  本来それ自体に音は無いのに 風の音を知った時のように、私はこの花の名を知ったような気がする。

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  その年初めて逢う花のそれぞれは特別だと思う。 この時のために生きてきたたような気がしたりするから‥

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  ほんの一日、この場所に立つのは早かったのかもしれない。  まだ開ききらぬ花が多い。


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  ただそんな思いはすぐに消えてしまう。


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  鳴く鳥の声と、時折聞こえる姿の見えない足音。  静寂の持つ豊かさの中にひとり。


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  花はそれぞれの場所で


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  それぞれの時が流れているのだとでもいうように、思い思いに咲いているように見える。


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  そこで光と戯れては遊び‥


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  風に揺れては笑い‥ そうして咲いているように見える。



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by moraisan | 2017-04-19 02:56 | 山野草・樹木 | Trackback | Comments(0)
かみ雪 そして福寿草‥

  いつになく雪の少ない冬が過ぎました。
  雪のない冬は春を告げる花たちには厳しいものです。毎年通う自生地の福寿草は傷むものが多く目につきました。
  それなのにこの一週間に二度、たちまち積もる勢いで雪が降りました。


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                この地方で かみ雪と呼ばれる 春の雪です。 (3月26日撮影)

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                 その雪花は大きなものだと 5センチほどもあったりします。




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  国道端から始まる 山里に続く道の法面に、あまり人に気づかれずに咲く 福寿草の群落があります。


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  以前はまばらに咲いていたのが今はすっかり増えていて、花の密度も私の知る場所では一二となりました。


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  国道側の建物が隠す斜面は、迫る山の木々もあって終日日陰勝ち、いつも最後に花を咲かせます。 


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  まだ葉を展開しない花姿は、今年なら二月末に咲き始めた周囲の福寿草にひと月は遅れています。


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  この分だと近くのオオヤマザクラの咲く頃まで、繁らせた葉の中に 咲き残る花が見られそうです。
   

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  この日(4月2日)イワツバメがただ三羽ながら 春を連れて帰って来ました。



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by moraisan | 2017-04-03 18:31 | 山野草・樹木 | Trackback | Comments(6)