カテゴリ:山野草・樹木( 326 )
ヤマカシュウとヤマウコギ‥

この季節、森は緑にみどりを重ねて、その中を歩くには少し暗いくらいです。
喬木たちがわずかにこぼした木漏れ日さえ残さず拾い集める‥ そんな木々のせいかもしれません。


e0070545_21172625.jpg
ヤマカシュウは蔓性の木本です。 ここでは低木のツリバナを登っていました。

e0070545_21174524.jpg
一見草蔓のように見えますが、前年の蔓はゆっくり木化していくように見えます。

e0070545_21175899.jpg
木漏れ日を受けるには葉だけでは足りないのでしょうか? 花まで緑色です。(雌雄異株・雄花)


e0070545_21181955.jpg
ヤマウコギは低木です。 上よりは横や下に向かって伸びるような気がします。

e0070545_21182443.jpg
少し明るく撮っていますが、実際はずっと暗い場所です。 丸い花序は花火のようです。

e0070545_21183466.jpg
林床近く葉を突き上げて懸命に陽を受けるものがあることを‥ きっとお日様は知っていますね。



※写真はクリックで拡大いたします



.
[PR]
by moraisan | 2018-06-06 23:19 | 山野草・樹木 | Trackback | Comments(2)
私の野ばら‥  (ノイバラ)

一週前に咲き始めたと思った花は、すでに盛期も過ぎようとしていました。

e0070545_19252355.jpg
陽の落ちるのも近い頃、ようやく訪ねた野ばらです。


e0070545_19261315.jpg
少し離れて見るなら、まだ十分に元気そうだけれど‥


e0070545_19264353.jpg
近づけば花の傷みの多いのに気づきます。 ただその香はこの頃が強く確かです。


e0070545_19271302.jpg
ここの野ばらは、少し紅を刷いた花をまじえるように咲かせます。


高温に転じた気候の変化は、年々この花の開花を早くして、短く追いやるようです。
隠し立ては何もないという風に咲く一重のバラは、多く虫たちを集めては、次々に咲いて終えていきます。

歌曲『野ばら』の訳詩に見る姿は、少し開き直ったくらい潔いように感じますが‥   この花もまた。



※写真はクリックで拡大いたします




.
[PR]
by moraisan | 2018-06-04 21:39 | 山野草・樹木 | Trackback | Comments(4)
移り行く森‥  (クリンソウ)

通う森まで登る段丘斜面の終わり、ここからは森の入口辺り‥
ここでは初めて見るクリンソウに出逢いました。 ただ一株だけれど‥

e0070545_14433295.jpg
小沢沿いに行きつく窪は谷地気味で、蕗や蓬が生る中にそれは少し窮屈そうに見えました。


e0070545_14433649.jpg
近辺の高い場所のような強い朱の色ではなく、どこか褪めた淡い色で咲いていました。


e0070545_14434628.jpg
28年歩いてきた森で、消えたものも多いのだけれど‥ やはり新しい出逢いは嬉しいものです。


e0070545_14435025.jpg
いったいどんな風に、誰がこの花の種を運んだものか? 謎は深まるばかりです。

クリンソウを含むサクラソウの仲間は、他家受粉で種を結ぶと知られています。
この種の花は短花柱花(花柱が雄蕊より短いタイプ)と長花柱花(花柱が雄蕊より長いタイプ)があって、
違うタイプの組み合わせでのみ種ができるといいます。
写真の花は短花柱花、しかもただ一株ですから、はたして種を結ぶことができるのでしょうか?

いつの日か、この森の入口がクリンソウで彩られたら‥ いいだろうな。


※写真はクリックで拡大いたします




.
[PR]
by moraisan | 2018-06-02 21:00 | 山野草・樹木 | Trackback | Comments(2)
更紗満天星‥

更紗満天星‥ 『さらさどうだん』と読む。 なんと贅沢で美しい命名かと思う。
この地方では庭木として普通に植栽されていて、とりたてて珍しいものではありません。

e0070545_17322918.jpg
高地性のこの樹には、歩く森は少し標高が足りないのかもしれません。

歩く森にはただ二本、姿だけなら庭の多くに及ばなくても‥ 共に時を季節を、重ねた思いがする樹です。


e0070545_17324804.jpg
二本の距離はわずかですが、その花の趣きはやはり違っています。


e0070545_17482884.jpg
こちらがもう一本の方‥ 花つきはこちらが多いですが、周りの藪に全体は隠れています。


e0070545_17330370.jpg
甲乙などつけられませんが‥ 二枚目の写真の花との違いを 愛でていただけるでしょうか?


※写真はクリックで拡大いたします


.
[PR]
by moraisan | 2018-05-28 19:40 | 山野草・樹木 | Trackback | Comments(2)
buttercup‥  キンポウゲ(ウマノアシガタ)

日当りを好む花だと思うのだけれど、日向の花は眩しくて長くは見ていられない。
そんなこともあって、日陰にこの花をみつけると、一息ついて腰を下ろすことも多いです。

e0070545_00144316.jpg
日陰にあっても輝きを失わないこの花は、英名buttercupがよく似合う。

標準和名のウマノアシガタは根生葉の形から来るらしいが、私には見いだせないまま‥



e0070545_00021888.jpg
種小名は japonicus。 英名もJapanese Buttercupと知れば、少しうれしくなるのは何故だろう?

狭くなり続ける行動範囲、それでも広がり続ける世界を歩くことに  

‥すっかり馴染んでしまったからかもしれない。


キンポウゲ科なのに萼もそなえたその花は、シンプルだけれど見飽きることがない。



※写真はクリックで拡大いたします



.


[PR]
by moraisan | 2018-05-26 01:52 | 山野草・樹木 | Trackback | Comments(0)
摘み草‥  はこべ

言わずと知れた春の七草のひとつ‥ 七草では『はこべら』
どこにも普通に見た道草野草であったと思うのだが、記憶する景色程度に遠のいた気がします。

幼い頃、父が連れ帰った黄色い小鳥カナリア。 二人乗りのバイクの後ろ座席?に飛び込んで来たという‥
その痩せた体に似つかわしくないような、木製の大きな鳥かごで、ずいぶん長く生きたように記憶します。

e0070545_01322013.jpg
その鳥かごの小さな菜入れのためにハコベを摘むのが、幼い私の日課になった。

一度に摘む量はわずかであったけれど、私の生涯で一番回数多く摘んだ草はこの草にまちがいない。


e0070545_01322583.jpg
ナデシコ科の花は小さいものも多いけれど、小さいものほど造作は凝っている気がします。


e0070545_01323022.jpg
写真のハコベはウシハコベで柱頭が5裂。3裂する他のハコベとの見分け方は、私の最初の植物学?

ウシハコベ属として分ける考えもあるようですが、ハコベ属 Stellaria (星)から私個人ははずしません(笑)


せっせとハコベを運んだカナリアでしたが、その美しい鳴き声を聞いた記憶がありません。 

今思えば雌であったか‥ カナリアの美しい囀りを知るのはずっと後のこと。 

ただ、どうもこの草と黄色い小鳥は セットされてしまった私の記憶のようなのです。


※写真はクリックで拡大いたします



.
[PR]
by moraisan | 2018-05-23 07:06 | 山野草・樹木 | Trackback | Comments(4)
夏来たる‥  ニセアカシア
 
この花に気づくのはいつも夜だ。
この花の甘い香気は誰でも気づくほど強いけれど、視覚のない夜ならなを強く感じられます。
今年は例年になく休まず鳴くフクロウに誘われて、三日前、星のない少し重たい夜気の中に気づきました。

e0070545_22061525.jpg
どこにも多い樹なのですが、川べりに見るのが好きです。 少し離れた森までの道すがら、千曲川河畔。


e0070545_22062192.jpg
アカシア蜂蜜の蜜源。 この花房の天ぷらは長野県の季節食でもあります。 ニセ(偽)アカシアとは‥ 

その白い花はふくよかでとても美しいものです。 アカシアはミモザのような黄色い花です。


e0070545_22062512.jpg
対岸の木はみな大きいのですが、こちら側は河川改修で一度伐られているので若木ばかり‥

この木の隣の幼いサワグルミには今年初めて気づきました。 河畔林は森と森をつなぐ道となります。


e0070545_22063043.jpg
暑さが大の苦手の私に、この花は夏を宣言しますが‥

風によく揺れ遊ぶその花は、一服の涼を与えることをわすれません。  ‥好きな花です。



護岸に、治山に、また薪炭材として盛んに植えられたニセアカシア。
たいへん逞しい樹で、その根が水が洗うような所から、崩落した山肌にもよく根付きます。
成長が早いのに、その材は緻密で重く腐りづらく、木目も美しい樹です。

近年‥自身の歴史そのものですが‥治水や治山の考え方も変わり(そもそもその言葉もおかしいけれど‥)
この樹は一気に邪魔者扱いです。外来種とのこともあって、生態系云々まで持ち出して駆逐されようとしています。

それを言うなら、外来種だらけの公園は、街路樹は、端正こめたあなたのお庭は‥ どうなさいますか?
本当に抜き去らねばならないのは、私たちの内に棲む おごりや傲慢さではないのでしょうか。



※写真はクリックで拡大いたします




.
[PR]
by moraisan | 2018-05-20 23:50 | 山野草・樹木 | Trackback | Comments(2)
最も淡い瑠璃‥  ツルカメバソウ

季節が初夏に移ろうとする頃、木陰を選ぶように一所にだけ咲くこの花を楽しみにしています。

e0070545_22231980.jpg
その花をもたげるだけで地を這うので、なかなか全体を見せてくれません。


e0070545_22232698.jpg
カメバ(亀葉)ソウの名はその形からですが、私にはあまりそうは見えません。


e0070545_22233060.jpg
その花色を失いやすく 殆ど白く見えますが‥ 完全な花の上に見る色は、知る限り最も淡い瑠璃色です。



※写真はクリックで拡大いたします



.
[PR]
by moraisan | 2018-05-14 23:03 | 山野草・樹木 | Trackback | Comments(4)
柳絮‥  ヤマネコヤナギ

森を歩いていると、空中をふわふわ漂うものに気づきます。
ヤマネコヤナギの柳絮(りゅうじょ)です。

それを放った木はすぐに見当がつきましたが、やはり少し早い始まりです。

e0070545_23543781.jpg
まだ始まったばかりの柳絮でしたが、盛んな頃には雪と見紛うほど舞います。


e0070545_23545038.jpg
綿毛にくるんだ小さな種を、風に託した瞬間です。 ‥見えるでしょうか?


e0070545_23550275.jpg
とてもゆっくり飛ぶように見えて急に加速して上昇したり‥ まるで小さな羽虫のふるまいです。


e0070545_23551607.jpg
目で追えば 静かな森の時間が 過ぎていきます。


※写真はクリックで拡大いたします




[PR]
by moraisan | 2018-05-11 05:59 | 山野草・樹木 | Trackback | Comments(2)
最後の桜‥   深山桜

山桜が薄墨色にその花色を変える頃‥ ようやくその花を開く桜があります。
ここは標高1000メートルを少し切るので、この花には下限に近い標高かもしれません。


e0070545_06301185.jpg
この木はとても若くて、私が この森に通い始めた頃には その姿を見ませんでした。


e0070545_06311963.jpg
未だにまばらな花数の幼(おさな)木は、成木のそれとはまるで違って見えましたから‥


e0070545_06312638.jpg
その花を近くに見ても、最初はミヤマザクラだとはわからぬほどでした。


e0070545_06313471.jpg
この森を知るだけなら私の方が古参ということになり そんな木々もいつしか増えました。
それでも私はいつまでもビジターのまま‥ この木ならもうこの森にすっかりなじんで見えるのに。


同じ森を見続けて自身の半生に近い時が過ぎました。
実生に始まった木々の多くは、風雪であったり、また森に生きるけものたちに食されたりして、
あるものは絶え、またあるものは10年の月日に少しも大きくならないかのように目に映ります。

それが森の時間であることに その姿であることに 人はいまだに目を背けているように思います。
この地球(ほし)に少しの場所を借り受けて まわりに倣って営みをしただろう二本足の獣は
いつしかこの地球(ほし)の設計者であるかのような はなはだしい勘違いをしているように思われます。

私もまたそのとおりで、もうどのように頑張っても森に還ることはできそうにもありません。
それでも森は 寛容に私を迎いいれ、幼子を諭すように この世界の理(ことわり)を教えることを繰り返しやめません。

出来の悪い生徒が その一端を理解することもできぬまま その生を閉じるとしても‥



                
 ※写真はクリックで拡大いたします



.
[PR]
by moraisan | 2018-05-10 07:16 | 山野草・樹木 | Trackback | Comments(2)