空の下 歩けば
2023-02-23T11:48:16+09:00
moraisan
日々を、写真と言葉で
Excite Blog
寒戻り‥ 堰(せぎ)にて
http://poran.exblog.jp/30254783/
2023-02-23T11:46:00+09:00
2023-02-23T11:48:16+09:00
2023-02-23T11:01:13+09:00
moraisan
まばたきの記憶
『春を呼ぶ雨』が降ったからといって、山里の春はすんなり訪れはしません。
ふたたび戻って来た真冬日に、夕刻まで引きこもって過ごしました。
北八ヶ岳の上には暗い雪雲が居座っています。
ただ外の空気を息したくて堰にそって歩きます。 枯草に着いた氷の玉が早やに踊っています。
覗き込む自身がその中に閉じ込められているのに気づきます。
こうした小さな情景もこの寒さあってこそ。 少し惜しむ気持ちがわいてきます。
過冷却された水は、流れを止めればたちまち凍りついてしまいます。
そんな中にも春は動き出している‥ そう感じるのは私だけでしょうか?
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春を呼ぶ雨‥
http://poran.exblog.jp/30251993/
2023-02-19T21:12:00+09:00
2023-02-23T10:49:41+09:00
2023-02-19T20:22:33+09:00
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空
温かい雨の降る朝となりました。
温かいと言っても、ようやくプラスの気温‥ 先週はマイナス10度前後の日が続きましたから。
ここは標高800mほど、海抜からしたら雲の高さの里です。
ほんの100m上は煙る雲、そこから細い雨が降っています。
木々はもう水を吸い上げていて、その吐息がそのまま雲をつくります。(梢の色がそれを教えます)
この実は冬の間もついばむ鳥も見ないのを、少し不思議にながめるのですが‥
殻の内がこんなに瑞々しい液果なのを初めて知りました。 (ヘクソカズラ)
まだ予報はこの先の寒い朝を伝えます。 でも 今日春を呼ぶ雨が降りました。
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至福‥
http://poran.exblog.jp/30246401/
2023-02-12T21:32:00+09:00
2023-02-12T21:32:17+09:00
2023-02-12T21:32:17+09:00
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山野草・樹木
思った場所で 思った花に会う‥
もう何もいらないと ‥その時ばかりは 思う。
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如月の空‥
http://poran.exblog.jp/30245840/
2023-02-12T08:15:00+09:00
2023-02-12T08:15:18+09:00
2023-02-12T07:59:51+09:00
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空
この冬 ‥暦はすでに春だけれど‥ 初めてまとまった雪となりました。
ただ二月の空には 春の波が次々に寄せている。
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雨下に咲く‥ コゴメウツギ
http://poran.exblog.jp/29974293/
2022-06-11T16:15:00+09:00
2022-06-12T04:51:08+09:00
2022-06-11T13:17:49+09:00
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山野草・樹木
梅雨に入って、半日は雨が降るような日が続いています。
この季節谷に花が少ないのは、風に託すにせよ虫に託すにせよ
顕花の植物たちには都合がよくないのか‥ と思ったりします。
少ない時期だからこそ、咲く花に出逢うのは嬉しいものです。
深い緑の中でも白い花は目立ちます。
米に見立てられた花は小さいけれど、良くできた細工です。
この花が咲くと白のトーンを落とすのはそのためです。
分かりにくいかもかもしれませんが、濡れると花びらは透けてきます。
サンカヨウが有名ですが、この花もきっと上等なガラス細工です。
刻んだ葉も印象的で、すぐにその場所を知らせます。 秋には黄葉に。
足元の花もひそやかなものが多いです。 (ニリンソウ)
(フタリシズカ)
場所と花を結び付けて記憶する手前、花後の姿から記憶をたどるのは
いつしか身に付いてしまった癖のようになっています。
どんな季節のどんな姿の時でも、この谷の木々草花を知っていたい‥
願い虚しく首傾げ立ち止ることの多い‥ 季節でもあります。
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カワトンボの頃‥
http://poran.exblog.jp/29970116/
2022-06-07T13:26:00+09:00
2022-06-07T13:26:07+09:00
2022-06-06T22:18:28+09:00
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いのち
谷は花の端境期を迎え沈んで見えます。
すっかり強くなった夏の日射しが、木々の陰をいっそう暗くするせいでもあります。
そんな光と影の間を、急くでもなく、大きな翅をひらつかせて自在に行き来する‥
大好きなカワトンボの季節です。
カワトンボはお気に入りの場所を持つように思います。
美しい翅を閉じて止まるのは枝先などではなく、広い葉の上です。
同じ葉に同じ個体が何度も戻るのを、そして長く留まるのを見て来ました。
顔を洗うようなしぐさ以外あまり動かないのに、時折こんな姿勢をとります。 理由はわかりませんが‥
好奇心が強い(私も同じですね)トンボのように感じます。
こちらが動かないなら、何度でも同じ葉に戻って来ます。 そして視線を返してきます。
どう見ても360度の視界を持っていそうなのに、ちゃんとこちらを見返します。
多くのけものや鳥たちとは当たり前にしてきたことを、このトンボは私に返して喜ばせます。
何度も戻って来るので、飛んでる姿が写せそうな気がしました。
1/400秒のシャッターでは少しも止まってくれません。 見かけよりその羽ばたきは速いようです。
1/1000秒の置きピンでやっとこの程度。 巧みに獲物を捕らえる足の仕組みが分かります。
そして着地(着葉?)。 翅の淡色班が目立つのは、羽化から間もないそうです。
ほら、やっぱりこっちを見てる。 (そう感じるのは私だけでしょうか‥)
カワトンボ(属)は何度かの分類変更を経て、今は2種。
「全くの別種なのに屋外観察での同定は困難、ブログなどでの掲載ならば一様に
カワトンボとするのが妥当」というような内容の研究者の記事を拝見しました。
掲載のものはニホンカワトンボ、アサヒナカワトンボのいずれかになるのでしょうが、
ここではカワトンボの名称を使用しています。
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チューリップの木‥ ユリノキ (ハンテンボク)
http://poran.exblog.jp/29966260/
2022-06-03T19:58:00+09:00
2022-06-03T19:58:07+09:00
2022-06-03T01:10:04+09:00
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山野草・樹木
一般和名はユリノキ。
学名Liriodendron tulipifera にユリとチューリップの名を持つモクレン科、不思議な木です。
道幅も狭く、地元の人しか使わないような県道の傍にこの木は立ちます。
大きな木なのですが、根元が道から数メートル下にあるせいか、あまり知る人が多くないようです。
気に留めてほしくて説明する時、チューリップののような花が咲くと話します。
今も身近な人に折を見て話しますが、車移動が主流の土地柄‥ 気づいてくれる人は少ないようです。
コップ型の花はチューリップのようだし‥
3の倍数の花被片は、ユリ(Lily)のようです。
6枚を花びらに、3枚を萼のように飾ります。
枯れているのは昨年の花です。 多くの種子を風に任せた後、外側の種子片を残します。
多くの種子を飛ばすのに、実生の野生を見たことがありません。 発芽率は良くない木と言われています。
一斉に咲くのではなく、少しづつずらして開花するようです。
蕾から開花に至る過程を、わずかな空間に見ることができます。
樹皮の美しい木だと思います。 黒地に班を交える枝は印象的です。
高さ20mを越えていそうな木を支える幹は、通直で立派なものです。
この木の目通り辺りで、二尺丸(にしゃまる)を越えて三尺丸(さんじゃまる)に迫ります。
地方で違うかもしれませんが、丸太という時、尺(約30センチ)に達した木を呼びます。
(私が林業にに従事していた北海道ではそうでした。)
若い株立ちがずいぶん大きくなっています。
これだけ大きな木の周囲に実生はなく、この木はこうしていのちを繋ぐのかもしれません。
根元が道よりずいぶん下なので、近くに花を見られることがあります。
同じように見える花被片が、花びら様は先から外に、萼様は側から内に巻きます。
中央は数十が集まる雌しべ、最初は短かった雄蕊が今はずいぶん伸びています。
雄蕊はやがて花被片に沿うように開きますが、多くの花同様、自家受粉を避ける姿にも見えます。
その径が数センチ以上ある花は、そう多くはないように思います。
どんなに目を凝らしても、その仕組みを見切れない花を多くみてきました。
ルーペやカメラレンズの力を借りずに、手に取るように細部を見られる数少ない花です。
大きな花、多くの花なのにどこか控えめな花色。
花時期はもちろん、風にひらめく大きな葉、またその美しい黄葉、冬にも残る花様の種子片‥
ただ2種が知られるユリノキ(属)が、世界中に植え広められたのが分かる気がします。
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ふたつのヘビイチゴ‥ 競う黄花たちと
http://poran.exblog.jp/29962640/
2022-05-30T11:21:00+09:00
2022-05-30T11:24:41+09:00
2022-05-30T09:28:49+09:00
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山野草・樹木
歩く谷は少し静まり返っているように感じます。
すっかり葉を展開した木々が、暗い影を落としています。
春の花たちが終わったせいもあるでしょう。
花がないわけではありません。
ただ主役の座は木々たちに譲られた感じです。
そんな中で気を吐く、黄色い花たちです。
どこにあるかお分かりでしょうか? どこにでもあるオニタビラコです。
かなり背高くすっきり伸びるのが、この谷のものの個性に感じます。
こちらの方が分かりやすいでしょうか?
春先の感じとは打って変わって、野趣を感じます。 初秋のヤマニガナのようです。
花が小さいなら数で‥ そんな感じでしょうか?
谷の比較的日当りが良い場所には、ヒメヘビイチゴが群生します。
1センチに満たない花を、夏草に負けまいと精一杯もたげているようでした。
キジムシロやツルキンバイにとって代わるヘビイチゴです。
めだつ花床は、もうその後の苺を思わせます。(食べられませんが)
林道脇にジシバリが並ぶ場所がわずかにあります。
少し抑えた黄色と、すっきりした立ち姿が好きな花です。
この谷では年々減っていますが、里の花なので消えていくのかもしれません。
気がつけば、鳴き始めたハルゼミにヒグラシが声を重ねて大合唱です。
臆したのか、この場所の常連、ヤブサメも声を潜めています。
静かだった谷はどこへやら‥ もう夏です。
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茂来山から‥ 「その二」
http://poran.exblog.jp/29958649/
2022-05-27T13:02:00+09:00
2022-05-28T08:17:18+09:00
2022-05-26T05:38:03+09:00
moraisan
自然
遅くなりましたが、前記事の続きとなります。
流れは右手にかわり、道は傾斜を増していきます。
かつては炭焼きが盛んだった森は、美しい二次林の森をつくっています。
往時の山人たちが、良く山を知り共に生きた証だと思います。
美しい木肌の木が二本、寄り添うここは好きな場所です。
左が若いトチノキ、右側がシャラノキ(ナツツバキ)です。
シャラノキは美しい花を咲かせる木ですが、樹高の高い木では気づく人も少ないと思います。
ふれずにはいられぬ樹皮ばかりでなく、見上げる新葉、秋の紅葉も美しい木です。
少し進むと今度は三本、寄り添う木たちに会います。
太い一本がカラマツ(とても素性の良い天然カラマツ)、奥がトチノキ、手前がシャラノキです。
三本の木々(ばかりではありませんが‥)が造り上げる美しい樹冠です。
この山に限ったことではありませんが、木々はこのように互いを支えるように生きています。
極相の林、人口の林が時に美しく目にうつったとしても、私はそれを森と言葉にするのをためらいます。
森は木々だけでなく、そこに営む鳥やけものたち、林床の草花、そこを訪れる虫たち‥
私には計り知れないものたちが、私に「森」という言葉を選ばせていると思います。
森には願いがあると思っています。 私には森で生きる力はありません。
ただ願いだけは共にありたいと‥ それこそが願いです。
登り進んでいくと、やがてこの山に似つかわしくない景色に出会います。
2000年当時の事だと記憶します。 「森の巨樹たち100選」林野庁の企画です。
この樹に「こぶ太郎」という名を後付けしたのも、展望デッキを設けたのも私の住む町です。
当時樹齢推定250年、樹高22m、幹周5.3m。 見事なトチノキです。
「森の巨樹たち100選」の選定後、この山この巨樹巨樹を訪ねる登山者は右肩上がりに増加しました。
折からの登山ブームも拍車をかけたと思います。
トチノキへ近づくには登山道をそれて、沢筋に降ります。 (脇の緑はヤマトリカブトです。)
これがその道の様子ですが、いかがでしょうか。 落ち葉が形も留めぬほどに踏みしだかれています。
子供たちが小さい頃、この樹の傍でスケッチをしたりして遊びました。
沢筋に溜まる落ち葉は厚く、寝ころべば人ひとりを隠すほどでした。 その幹にふれることもできました。
この山に棲み暮らす人は皆無です。
どんなに登山者が多い時でも、この山に棲む鹿の数には及ばないと思います。
にもかかわらず、日中その姿を見ることは殆どありません。
私は周囲の里山でも鹿道(けもの道)を辿ることが多いです。
里山には鹿罠が仕掛けられていることも多く、皮肉なことに、けもの道が安全だからです。
その小さな蹄であっても道跡はつけます、とてもたどれぬ傾斜地では小さな崩落も起こします。
それでも人足が残すような、修復が困難なような痕跡は見たことがありません。
これは高山の岩稜よりは、このような里に近い山岳で顕著となります。
山は地殻の隆起だけではないことを、人足が大きく時に乱暴であることを、私たちは知らねばなりません。
空は薄曇り、谷筋はこんな日の方が明るいものです。
それでも急に眼前が明るくなる時があります。
頭上低く、ハウチワカエデが光の傘をさしかけたからです。
向かいの斜面にダケカンバの幹が目立ちはじめ、目指す木が近づきます。
標高は1400m程となります。 ちなみに茂来山の山頂は1717mです。
これが私が会いたかった木です。 巨大なトチノキです。
登山道脇に立つので、足元ばかり見ていて気づかぬ登山者もあるようです。
幹回りは前出の「こぶ太郎」よりずっと太く、樹齢もずっと重ねていることでしょう。
両の腕を広げるようにつくる樹冠は大きく、長いところなら25mを越えていそうです。
こぶの上にニリンソウが安心したように咲いています。
このトチノキの上では、多くのいのちが息づきます。
コケ類、シダ類、顕花類、蔓性の木、菌類‥ それは「こぶ太郎」が子供にみえるほどに多様です。
力枝にノキシノブが元気に着生しています。
ふだんノキシノブに会いに行くのは、ミソサザイの谷の石灰岩の露頭だったりします。
この樹は無冠です。 「森の巨樹たち100選」でもなければ、山の神でもありません。
まだ町村合併がされる前、この山が隣町であった頃に教育委員会がまとめた冊子があります。
町内の50数本の巨樹を調査し編集されたその本には、茂来山からも8本が選ばれています。
まだ無名だった「こぶ太郎」も掲載されているのに、不思議にこの樹はないのです。
しかしこの木には古くから土地の人が呼んだ名前があります。
「大王トチノキ」がその名です。 知った時嬉しかったのを覚えています。
ここからは私の想像です。
この木はこの沢の多くのトチノキの親木ではないかと思っています。
もしかしたら「こぶ太郎」子供の一本かもしれません。 樹齢的にも最長老です。
この木は標高的にも一番上で、その先には並ぶような巨樹の存在がありません。
この木のやや下方に古い炭焼き窯の石積み痕が残っています。
山で木を伐る際に、山人は「山の神」を祀り許しと安全を願います。
私も林業従事者であった頃には、略式ながらそれに習いました。
この木はそうした伐採現場の上手にあったことから、「山の神」の一木とならなかった。
しかしながら、この沢を統べるような威容から「大王」と呼ばれ慕われたのではないか。
この木の前に立つと、「星の王子様」の物語が浮かびます。
星の上のバオバブではなく、この木自体が小さな星に重なります。
十分な時間を好きな木の傍らで過ごして、下ることにします。
下山は少し端折ります。 次の写真はすでに「こぶ太郎」を過ぎています。
ジャニンジンが並んでいました。
似たような花は多くありますが、羽状に全裂する葉はこの種だけです。
花だけだとこの通り、多くの花と重なります。
ミヤマハコベです。 こちらも里のものに似たものが‥
小さなナデシコ科の花はどれも良くにているものですね。
雰囲気の違いで気づく花ですが、気づかぬ人も多いかもしれません。
少し花時期は過ぎていました。 サナゲイチゴです。
木苺らしくない葉が特徴的ですが、場所を選ぶのか多く見る花ではありません。
花は1センチ程と小さなもの、その実も小さいです。
漢字だと「猿投苺」‥美味しくないのかな? 口にしたことはありません。
エイリアンの顔のような葉がそこかしこに。
初秋の花時期には花にばかり目が行きます。 ミズヒキです。
登山度を離れ林道に戻っています。
かなりお気に入りの花、ホソバノアマナが一株。
この繊細な筆遣い‥ いかがでしょうか?
あと一年は会えないと思っていたアカネスミレが一輪。
この一日はこの一輪だけでも悔いのないものになる、ほどの再会^^
もうこの辺りは車止めのゲートが近い。
キバナハタザオです。 絡んでいるのはボタンヅル、夏の気配はそこまで来ています。
アブラナ科の花はどれも良く似すぎるなあ‥ 止まるのはカメムシの幼生?です。
幼子にだけでも名札を付けてほしいと思うのは‥私だけ?
林道を下っていくと(登っている時もであるが)、大きな露頭の下に洞を見ます。
車だと気づかないだろうけれど、今は通れる保証はなく、皆手前で車を降りているようです。
実はこの露頭はツツジが飾る場所でもあります。
ミツバツツジはすでに花を散らした後でしたが、ヤマツツジは始まったところでした。
私は地学に明るくないので、この洞の成因はわかりません。
石灰岩質の岩から、鍾乳洞様の洞ではないかと思っています。
その奥は暗くはかることはできません。
山清水か湧水か一年変わらぬ水位を溜めて、その水は濁ることがありません。
あとは林道を下るだけの道。 薄曇りながら傾いた傾いた陽が影を落とします。
陽を受けて明るかったのは、カラマツを登るツタウルシ。
秋には美しく染まってくれます。
とても長くなってしまいましたが、これで「茂来山から‥」の連作を終わりにします。
だいぶ端折って、ご紹介できなかった木々草花もありますが、それらはまた機会を得ましたら‥
このとりとめのない長い記事にお付き合いくださった方々には、感謝申し上げます。
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茂来山から‥ 「その一」
http://poran.exblog.jp/29955785/
2022-05-25T06:19:00+09:00
2022-05-25T06:21:46+09:00
2022-05-23T03:35:44+09:00
moraisan
自然
久しぶりに茂来山を歩いてきました。
前回の入山は2019年の11月、全国的に被害をもたらした台風の後でした。
茂来山も入山経路の林道が流失したりしているのを、当時確認しています。
茂来山は地方の独立した中級山岳であるのに、意外にも入山者の多い山となっていました。
文字通り人の足に踏み荒らされた状況は哀しく、以前の姿を知る身には辛いものでした。、
台風によって入山困難になったことは、むしろ歓迎する気持ちでした。
数年も人が入らなければ山は回復する‥ それが正直な気持ちでした。
それを願って、私自身も茂来山から遠ざかりました。
茂来山への林道の修復は意外に早いものでした。
近くの千曲川の河川修復にも2年の月日を要していたので、5年はそっとしておいて欲しかった。
その山の名を勝手にハンドルネームに借りる身、気を取り直して住む町の山を歩いてきました。
麓の集落から林道を歩き始めます。
この山に最初に入った30年程前なら通っていたバスも今はなく、この集落までは自転車です。
歩き始めるとすぐ、道脇のフデリンドウに気づきます。
ああ、茂来山にまた来たんだな‥ と思います。
かがんで近づき‥
いつの間にか寝そべっています。 ‥先が思いやられます^^
やがて右手に深かった渓が近づき、道に沿うようになります。
まだ台風の爪痕は残りますが、山には想定内の事でしょう。
トクサが数株、背景の幹はミズナラです。
さして標高が違わぬ暮らす周囲はコナラが優先しますが、ここではミズナラです。
縄文時代にも使われていたらしい、天然のサンドペーパー。
その触感を指先で確認して別れます。
滑(なめ)になっている辺りは急に明るくなります。
この渓は滑の他にも、落ち込みや小滝があったりと変化に富みます。
本流に流れ込む側流でさえ、これだけの流量があります。
この山の豊かさをつくっているのは紛れもなくこの水と、それを保っている木々たちです。
林道には車止めのゲートがあり、小広く開けています。
ゲート脇にキジムシロが明るい花を並べています。
私は木はもちろんですが、花もほとんどを場所と共に記憶します。
近年すっかり怪しくなった記憶とは、別な領域があってほしいと願います。
以前はここまで車が入りましたが、今はそこまでの修復はされていません。
台風前にはここまで中型バスで乗り付けるツアー登山もありました。
日本の山にはほとんど規制がありません。
集団に踏まれた痕は、山の自己修復の機会をすら奪います。
そんな愚は、そろそろ終わりにしてほしいものです。
登山者には一度きりでも、ここにはその生涯をここで生きる多くの「いのち」があります。
やがて林縁に美しいハート型の葉の並びを見るようになります。
フタバアオイです。
この花は不思議なことに、完全に下を向きます。
葉の下に隠れ下を向く花には、匂いも密線もないそうです。
つまりは虫がやってこない(呼ばない)ということです。自家受粉だそうです。
(花を見るために少しだけ傾げさせてもらってます)
多くの花は自家受粉を避けるしくみや仕掛けを持ちます。
その方が理にかなっていそうですし、自家受粉を選ぶなら両性花はなぜ? と思います。
雌しべ(柱頭)が6ッ本、取り巻くように雄蕊が12本‥? 私には無理でした^^;
先は行き止まりになる林道を進みます。
車の轍も確認できない道に、アカフタチツボスミレが咲いていました。
葉脈に沿って赤くなるだけで、ほとんどタチツボスミレです。
漢字で書くと『赤斑立壺菫』‼ ‥花はとても穏やかですが。
ツボスミレが小さな群落をつくっています。
ニョイスミレが一般的な和名のようですが、前者の響きが私は好きです。
花はスミレの仲間では最小の部類だと思います。
1センチほどでしょうか、なかなかあでやかな表情をしています。
頂上まで行くつもりはないのですが、どうしても会いたい木がありました。
こう立ち止まっていては日が暮れそうです。 少し歩を進めます。
林道を離れてわずか進むと、渓が細い流れになって戻って来ます。
この流れは地図上では本流筋ではないものの、その発端からすると源流と言っていいものです。
ひとまたぎの流れをまたぐと、いよいよ茂来山の登山道に入ります。
登山道の入り口付近を飾る花、ヤマブキソウです。
大ぶりの花を一、二輪つけるのですが(多くは一輪)、いきなり三輪咲が待っていました。
前記事にしたラショウモンカズラが寄り添います。
期待通りの所に、思っている花がさいていること‥
花でも人でも、場所でも‥ 新しい出逢いよりそれを望むのだろうな。
豪胆と繊細をくっつけたら、こんな花だろうか‥
そろそろ里のスミレとはお別れです。
苔の上に一輪だと、まるで違う花のように見えます。 (タチツボスミレ)
しばらくは緩やかな登りが続きます。
杉やサワラの古い植林(たぶん)を抜けると、この山本来の樹林帯となります。
下生えは勢いの良いシダが占めます。 残念ながら見分けられる種は少ないです。
つかず離れず流れは続きます。
一番多いシダはこのオシダだと思います。
コケやシダも自在に見分けられたらいいのですが‥ 旧知の前に立ち止るばかりです。
道中の苔むす石の傍らにクワガタソウが一輪。
群れなす花より、ぽつんと咲く花に惹かれるのは性格のようです。
よく見かけるオオイヌノフグリは同じゴマノハグサ科です。
二本の雄しべ、一本の雌しべの特徴はそっくりですが、野趣に勝ります。
登山道には年中乾かない場所があります。ミズゴケの間にアカチシオダケ(たぶん)らしい小さなキノコ。
この先で流れをまたぐと、道はしだいに傾斜を増していきます。
会いたい木に届かぬうちに、記事ばかり長くなってしまいました。
ここで一旦記事を切りたいと思います。
続きは「その二」でまとめたいと思います。
よろしければ後日ご覧ください。
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あれから五日後の花‥ ラショウモンカズラ
http://poran.exblog.jp/29951540/
2022-05-20T02:32:00+09:00
2022-05-20T04:14:47+09:00
2022-05-18T20:44:56+09:00
moraisan
山野草・樹木
前出、ツルキンバイの記事の中(写真6枚目)にあったラショウモンカズラが咲きました。
その大きな花は、ルーペやレンズの力を借りずともその仔細を見ることができます。
にもかかわらず、奇妙な名前の解説は多く見て来ましたが、私が見たことに答えてくれるものは
書籍やWEB上にも見つからない‥ そんな思いをした花でもあります。
よろしければ前記事からこの花を見つけてください。
そこから五日の時間を経て、最も良い状態の花に会えました。
高みにある花を正面から見ていますが、あまりこのアングルで見れる花ではありません。
片側に付く花の重みでしょうか、多くは斜めに傾いでいきます。
前には気づかなかったやや低い位置に、覗ける花を見つけました。
花は岩の上に根をはっています。 背景緑の葉のように見えるのは全て苔(タイ類)です。
上唇(上弁)と呼ばれる花から四つ下向きに釣り下がって見えるのが雄しべです。
その先に蛇の舌先のように、ちょろりと出ているのが雌しべ(柱頭)です。
私はこの花の仕組みが不思議でなりませんでした。
「その花は花粉を媒介してくれるマルハナバチに特化している。」
この記述に出逢った時に、ようやく溜飲が下がったものでした。
この岩塊の上に咲いたラショウモンカズラは四本。 あまり多い状況ではないかもしれません。
その根の先に土壌はなく、ジャゴケやゼニゴケの仲間がそれを支えています。
そして咲く花は丸々とした蜂のためにその花姿を変えたのだとしたら‥ 何だかヒトの孤独を感じます。
この花にはしそ科には珍しい、芳香といってよい香があります。
落ちやすいその花を拾うことができたなら、指先で擦ってみてください。
花はその役割を十分に終えているでしょうから‥
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洞窟岩の花畑‥ ツルキンバイ
http://poran.exblog.jp/29948565/
2022-05-17T11:36:00+09:00
2022-05-17T11:39:32+09:00
2022-05-15T19:30:47+09:00
moraisan
山野草・樹木
この谷は東西、南側に斜面が続くために総じて日当りは限られます。
その底をたどるなら、直射の光りが一日中届かない場所が多くあります。
写真の場所もそんな場所のひとつです。
(目が慣れてくればこのくらいには見えるかな? というくらいに写真は明るくしてあります。)
高さは5メートルほどでしょうか、大きな岩の露頭があります。
このあたりは石灰岩質の古い地層です。 遠い昔、もっと谷が深くて水量も多い流れが洗っていた頃‥
きっとこの小さな洞穴がうがたれたのだと思います。
この暗がりを好んだかのように咲く花があります。 ツルキンバイです。
この岩の上には土壌と言えるようなものはありません。
光も落ち葉も留まらない、地衣や水苔が覆う場所が、この花の選んだ場所です。
そこに苺のようにストロンを伸ばして、この小さな花畑を造ったのです。
私がこの花の名を知ったのは、同じ場所で7年前の事でした。 (当時記事はこちら)
その後この森の幾か所科にこの花を見つけましたが、群落はここだけです。
実際の暗さはこんな感じだと思います。
光を受けてというよりよりは、内からの光りで咲いているような錯覚がいつも起こります。
少し落ち葉がたまったのでしょうか‥ ラショウモンカズラが二本。
この花畑に他の花を見ることは稀なことなのです。
暗がりに見るこの花は月のようだと思います。
周りを暗さに隠すほど、この花は見えてきますから‥
洞窟岩などと書きましたが、そこは小さな洞穴にすぎません。
それでも小さな子供くらいなら、身をかがめて隠れるくらいはできるでしょうか。
この辺りはごく古い時代に隆起した地層だと言われています。
周囲の谷地形では、このような洞穴をあちこちで見ることができます。
規模の大きなものが近隣の北相木村にあり、そこは文字通りの洞窟、縄文時代の穴居遺跡となっています。
川水が削った洞窟は深いものではなく、『岩陰』と呼ばれるそうです。
『栃原岩陰遺跡』と称されたそこで発掘されて品々は、北相木村考古博物館に収蔵展示されています。
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谷間の玩具‥ ツクバネウツギ
http://poran.exblog.jp/29947233/
2022-05-14T18:53:00+09:00
2022-05-15T19:15:46+09:00
2022-05-14T11:33:33+09:00
moraisan
山野草・樹木
ウツギの名をつけられた低木は科をまたいで多種あります。
ツクバネウツギはスイカズラ科、本家ウツギはユキノシタ科(アジサイ科とする分類も)です。
きっとどちらも空木(うつぎ)なのだと想像しますが、確かめる人は少ないでしょう。
ただこの『衝羽根空木』の命名には、称賛おしみないものがあります。
姿と名前の一致は忘れがたくありがたいものです。
先に載せた「ヒナスミレ」と「ヒメスミレ」など勘弁してほしい名前です。
土の乾かぬような半日蔭を好むような気がします。
引きが取れず写せていませんが、すぐそばには細い流れがあります。
全体に線の細い木に大きめの花。 あればすぐに気づきます。
花色には木によって変化があります。この木は白い花をつけています。
二輪ずつ並んで咲く花は造りのせいか、風に落ちるのは早いです。
少し離れた場所のこの木は、かなり黄みが強いです。
ピンクや赤みを帯びる花もあるようですが、見たことがありません。
花のつけ根の萼片は花後も残り、『衝羽根』の名の由来となりました。
羽根は5枚、やがて赤みを帯びて美しく残ります。
その名の玩具を知る由もない蜘蛛がひとり。 (ウロコアシナガグモでしょうか?)
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春 終わりを告げる花暦‥ ヤマブキ
http://poran.exblog.jp/29945936/
2022-05-13T13:21:00+09:00
2022-05-13T13:25:12+09:00
2022-05-12T23:49:48+09:00
moraisan
山野草・樹木
そう感じ始めてからどのくらいたつのだろうか?
周囲の木々や草花の移ろいが大きく変わり始めている。
この地に移り住んですでに30年を越えている。
20年を過ごした辺りでは、どこでどんな芽吹きが、どんな花の開花が
どんな順番で季節をつないでいくのか、少し分かったような気がしていたものです。
桜の開花の前にカラマツが芽吹く事はなかったのが、同時だったり逆転したり‥
加筆修正を重ねる私の中のMEMO帳は、すっかりその役目をなさなくなってしまった。
そんな中であまり変わらずに季節の中に咲く花だと思うのが、このヤマブキです。
この花が咲く暦なら、二十四節季がぴったりです。
この花が咲き始めるのは『穀雨』。(もちろん当地ではのことですが)そう覚えます。
秋の狂い咲きを僅かに見ることはあっても、『清明』の内に咲いたのを探ることができません。
節季とは大雑把のようだけれど、その開花時の振れ幅は桜よりずっと少ない気がします。
ここまでの3枚の写真は『穀雨』に入って数日目のものです。
一番早いのが1枚目で4月23日、日当りの斜面でも蕾が多い状態です。
そしてここからは『立夏』のヤマブキです。
ここは私が普段歩く中では、一番春がゆっくり進む谷です。(はい、ミソサザイの谷です^^;)
当地でもすでに夏日の気温は何日もありましたが
この谷ではまだ半袖で立ち止れるような日はやってきません。
昨日(5月12日)でもまだ元気な花を見ることができました。
ヤマブキの花は一日花ではないまでも、それぞれの花は短く終えます。
それなのに『穀雨』と『立夏』二つの節季をまたいで、身近のどこかにこの花を見ます。
ほぼ四週に近い時間を傍らに探せる花は、そうはないな‥と思います。
どこで夏の到来を感じるかは、南北に長い日本であれば様々でしょうが、
私的には次の節季、『小満』の入り頃かと思います。 そこまでくれば炬燵を片付けられそうです。
その頃には目をいるような山吹の色は どこからも消えていることでしょう。
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イカリソウ・ロード‥
http://poran.exblog.jp/29943834/
2022-05-12T02:23:00+09:00
2022-05-12T06:53:33+09:00
2022-05-10T21:12:59+09:00
moraisan
山野草・樹木
ミソサザイの谷イカリソウ・ロード‥ これも私だけの勝手な所番地のひとつです。
一年のうちの二週間ほど、ここにこの花は咲きます。
花たちによってつくられる「場」があると思っています。
光を求めて立ち上がり‥
地と繋いでつくられるそれは‥
‥ほんのわずかな空間と
流れる時間の中に用意されます。
一年を待つのに十分なイベントそのものとして、それは始まります。
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