最後の桜‥   深山桜

山桜が薄墨色にその花色を変える頃‥ ようやくその花を開く桜があります。
ここは標高1000メートルを少し切るので、この花には下限に近い標高かもしれません。


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この木はとても若くて、私が この森に通い始めた頃には その姿を見ませんでした。


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未だにまばらな花数の幼(おさな)木は、成木のそれとはまるで違って見えましたから‥


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その花を近くに見ても、最初はミヤマザクラだとはわからぬほどでした。


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この森を知るだけなら私の方が古参ということになり そんな木々もいつしか増えました。
それでも私はいつまでもビジターのまま‥ この木ならもうこの森にすっかりなじんで見えるのに。


同じ森を見続けて自身の半生に近い時が過ぎました。
実生に始まった木々の多くは、風雪であったり、また森に生きるけものたちに食されたりして、
あるものは絶え、またあるものは10年の月日に少しも大きくならないかのように目に映ります。

それが森の時間であることに その姿であることに 人はいまだに目を背けているように思います。
この地球(ほし)に少しの場所を借り受けて まわりに倣って営みをしただろう二本足の獣は
いつしかこの地球(ほし)の設計者であるかのような はなはだしい勘違いをしているように思われます。

私もまたそのとおりで、もうどのように頑張っても森に還ることはできそうにもありません。
それでも森は 寛容に私を迎いいれ、幼子を諭すように この世界の理(ことわり)を教えることを繰り返しやめません。

出来の悪い生徒が その一端を理解することもできぬまま その生を閉じるとしても‥



                
 ※写真はクリックで拡大いたします



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by moraisan | 2018-05-10 07:16 | 山野草・樹木 | Trackback | Comments(2)
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Commented by saheizi-inokori at 2018-05-10 21:58
森の仙人だなあ。
Commented by moraisan at 2018-05-11 06:02
>saheizi さん、おはようございます。
残念ですが‥ とてもなれそうにありません。


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