雨氷の朝‥
  雨氷という現象をご存知でしょうか。 
  停滞前線は時々気温の逆転層を生じます。地表近くで過冷却された雨は、木枝などに触れた瞬間に氷着します。
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  雨の雫のように見えるなは全て氷です。 短い氷柱が下がっているといった感じです。

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  木肌や枝形によって着氷の仕方は異なりますが、このように枝をコーティングしてしまうのが普通です。

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  たいへん美しい造形ではありますが、時には木枝や幹さえその重さに耐えかねて折れてしまいます。

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  雨氷は地表から立ちあがっていれば、さまざまなものにできます。 これは葛の枯蔓に着氷したものです。

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  さびしく見上げることが多かった山の木々が今朝は輝いています。 これはカラコギカエデです。  

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  このカエデは多く実を残すのが冬枯れの林にあってはいつもうれしいのですが、今日は格別です^^

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  イタドリに‥   

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  マツの葉に‥

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  オオブタクサの枯立ちにも‥ 氷の造形は寒立ちしている全てをへだてなく飾ります。

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  美しく林を飾る雨氷ですが、春を待つ木々にとっては過酷な試練のひとつです。     

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  密度が高い硬い氷は融けにくいもので、今回は丸三日も木枝を覆い続けました。

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  雨氷が閉じ込めたサラサドウダンの冬芽です。 三日後に降った雪が氷を融かして、ひとつの試練は過ぎました。



                       ※写真はクリックで拡大いたします。
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by moraisan | 2010-02-14 12:33 | 自然 | Trackback | Comments(22)
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Commented by ironsky at 2010-02-14 21:25
すばらしい景色です。
雨が降って気温が下がると、こんな風になるんですね。
今年は私の住んでいる地域でも、時々雪が降っています。
幸いにして、あまり積もりませんが。
Commented by atNOGAWA at 2010-02-14 22:02
こんばんわ、美しい雨氷ですね。
こちらも昨日の冷たい雨、ミゾレの後、今朝は氷点下、生垣や草に付いた小さな雨氷が見られました。
Commented by namiheiii at 2010-02-14 22:07
めったに見られない素晴らしい光景ですね。このところこちらも寒いはっきりしない日が続いていますが、そちらではこんな造型が見られるのですね。
昔のことですがアメリカで雨氷を経験したことがあります。降った雨がそのまま道路に凍りつき車のコントロールを失うという怖い経験をしました。
Commented by odamaki719 at 2010-02-14 22:12
こんばんは✿
雨氷というのはなんと素晴らしいのでしょうね。
雨上がりに雫が樹木にほんの一瞬このような状態に
なる時があります。いつもそれを撮ってみたいと
思っていても雨の雫はすぐに落ちてしまいます。
雨氷をそれぞれ大きくして見入ってしまいました。
どれもが美しく葛の枯蔓に着氷が生け花的で好きです。
カラコギカエデとその下のカエデも素晴らしいです。
本当に美しいものを見せて頂いて感激しました。
Commented by moraisan at 2010-02-14 22:45
>ironsky さん、こんばんは。
この日(2月11日)は本州の中央を停滞前線が横切っていました。
乗り上げた暖かい雲が雨を降らし、地表近くの冷たい空気によって過冷却されたことで生じたものです。
地表は地温によってか濡れた状態ですから、とても微妙な温度条件に左右されることのようです。
霧氷や樹氷と似たような着氷はありますが、私は最も美しい着氷だと思っています^^
Commented by moraisan at 2010-02-14 23:02
>atNOGAWA さん、こんばんは。
当初は色々教えていただきました。コメントいただけてとても嬉しいです^^ 
最初に見た雨氷もこの地で、その日の雨氷は降る雨の中で見る間にできました。
厚さも1cm以上ありましたし、ちょうど朝日が差し込んだので、私の生涯で最も美しい光景のひとつと記憶します。
その時は通勤のため家を出た直後でしたから、しばし呆然と立ち尽くした後仕事を選んでしまいました。
その日から十数年後、二度目の雨氷を経験しました。 あの日の雨氷はこの日の百倍は美しかったと思いながら‥ 
Commented by moraisan at 2010-02-14 23:09
>なみへいさん、こんばんは。
私自身は待ち焦がれながら、ただ二回しか見てない雨氷です。
最初に見た雨氷があまりに見事だったので、つい比べてしまいますが、
今回の雨氷は三日も融けず驚きました。
この日の雨氷広範囲に及んだようで、信州では架線の着氷で電車が運休したりしました。
Commented by mayumis39 at 2010-02-14 23:51
雨氷という現象、初めてです。とても美しく感動しました!
>氷の造形は寒立ちしている全てをへだてなく飾ります・・自然というのは、本当にそうですね。
降り積もる雪も、霜や氷の花も・・・
Commented by moraisan at 2010-02-14 23:54
>odamaki719 さん、こんばんは。
過冷却した雨が造る氷は、降る雨のさなかににも発達していくことに驚かされます。
あまり長い時間を保つ現象ではないようですが、今回は気温が低いことで長く木枝に留まりました。
この日この場所が選ばれたのだと思うことがよくあります。
さてそこに出ていこうか‥ それだけが選べることだったりします^^
Commented by moraisan at 2010-02-15 00:09
>mayumis39 さん、こんばんは。
実は私も二度目のことです^^ 撮影するのは初めてです。
この日(11日)は休日であったのも幸いでした。 
この日この場所は誰でもいけるような場所ですが、誰にも出会うことはありませんでした。
確かに一緒に見たような気がするのは、止まり木に困った様子の鳥たちだったでしょうか‥
この時と場所に居合わせることが嬉しくて、過ぎ去ることが惜しくて‥ シャッターを切るのかも知れません。
Commented by mira at 2010-02-15 19:10 x
moraisanさんが更新されるのをいつも楽しみに待っているのですが、毎回毎回待っている甲斐があります。
雨氷...美し過ぎて、正直言葉が見つかりませんね。
この間のせぎでのクリスタルもそうでしたが、自然が造り出すアートの清浄な美しさにはただただ驚嘆してしまいますね。

雨氷という言葉も美しく、日本語は自然界の現象を表す美しい言葉が豊かで、言葉ができあがっていった時代、昔の人はこんなにも親密に自然に接していたのだなとあらためて思いました。
Commented by moraisan at 2010-02-16 05:53
>mira さん、ありがとうございます。
この朝すでに雨は止んでいましたが、降る雨の中で出来ていく雨氷との最初の出会いは忘れられません。
今までの人生の半分は北海道でしたが、樹氷や霧氷にはなじみがあっても雨氷との出会いはありませんでした。

透明で均質な氷は美しく、質も硬いのが特徴です。
あの氷をロックグラスに頂いたらさぞ‥ 後から思ったりしますが、とても出来そうではありません^^;

雨や雪を表現する言葉を多く持つ民族であったと思うのに、この日の報道は架線の着氷が列車を止めたことばかり‥ ちょっと残念ではありました。

その時、その場所、その出会いによって選ばれているのだと思うことがあります。
その中で自身ができる選択は ささやかであるとも‥
Commented by nenemu8921 at 2010-02-16 21:04
すごい光景に出会いましたね!!
雨氷ですか!

賢治の「インドラの網」に過冷却の水というのが出てくるのですが、
イメージできませんでした。
ふう、いい画像を見せていただきました。(*^_^*)

本当に稀な現象なのですね。moraisanさんならではの世界ですね。

Commented by moraisan at 2010-02-17 00:13
>nenemu8921 さん、こんばんは。
「インドラの網」に出てきた湖の正体でしたね‥ 難解なお話№1かな^^;

この季節、雨の度に思い出す光景に再び出会えました。
若い頃、出会いは自ら求めて行くものでした。 今は向こうからやって来るものになりました。

その中に歩き出せたこと、幸いでした^^
Commented by 74mimii at 2010-02-17 14:41
冷たい思いをしている木々には申し訳ありませんけど
素晴らしい自然のアートに感動しています。
言葉なくただ感謝です!

Commented by 髭彦 at 2010-02-17 21:42 x
雨氷とふ厳しき試練木々草の耐へてぞ美(は)しき春のありなむ

脱帽です!
Commented by moraisan at 2010-02-18 21:49
>mimi さん、春はまだ先です。
これからの季節、湿った重い雪や春を招く強風が次々木々を試します。
にわかな陽気に応じた花を、その後の寒気が萎れさせます。
厳しいなあ‥と思います。 そして美しさに立ち尽くします。
Commented by moraisan at 2010-02-18 22:11
>髭彦さん、こんばんは。
お歌をありがとうございます。
読まれたとおりのことだと思います。 讃する言葉がないので、カメラを手にしている次第です。
その百分の一も写しとめられませんが‥ 帽子は脱ぎません、寒いですから^^
Commented by sakusaku_fukafuka at 2010-02-18 22:59
こんばんは。
これで更に気温が下がれば樹氷になるのでしょうか?
それとも、樹氷とはまったく別のものなのでしょうかね?
それにしても、ダイヤモンドで装飾されたようで美しいです。
Commented by moraisan at 2010-02-18 23:30
>sakusaku_fukafuka さん、こんばんは。
樹氷や霧氷も過冷却の水滴からできますが、それらは成因となるのが霧(あるいは雲)のため、
気泡を多く含んでいるため白濁しているようです。
雨氷は雨から生まれる氷で、気温が逆転していることが条件となります。
透明度の高い氷は緊密で硬く、短い氷柱様のものも手折るには力がいるほどです。
北海道や高い山では出会ったことがなく、里ならではの現象かと思います。
‥とは言え1000メートル近い里ですが^^;
Commented by KATEK at 2010-02-21 16:04
ごぶさたしています。雨氷ということば,初めて聞きました。実はわたしの住んでいる近くで今年初めてこの雨氷をみました。あまりのきれいさにびっくりしてしまいました。でも試練のひとつなのですね。ここに紹介してくださった様々な形の雨氷,シャンデリアのようだったり不思議な景色だったり。でもとっても美しいです。「弱いものこそ美しい」と,水俣の胎児性の障害を持った人の写真を見てそう感じたことがあります。遠くからの勝手な言い分だと考えつつも。植物達はいつも静かに試練をこえて春をまつんですね。
Commented by moraisan at 2010-02-21 18:33
>KATEK さん、こんにちは。
こちらこそご無沙汰しております。
条件がそろえば、むしろ山間部より里に多い現象ではないかと思います。
試練と言う言葉を選んでしまいましたが‥ 生けるもの全てに斉しくそれはあるように思います。
それを受ける姿の中に美しさを見ることはしばしばありますが、その理を知ることは難しいです。
この朝、木々と私は同じ冷たさの中にいて、木々は美しい氷を纏い立ち、私は凍える指でシャッターを切った‥
それは縁であるのかも知れません。


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