しがこ(氷)探し‥

  もはや暖冬などと喜んでいられないのかもしれない。
  まだ一度も地面をすっかり隠す雪は来ないのだし、水辺の氷さえ殆ど見ないこの冬です。

  節季は寒。 寒さに震えながらも、水辺のクリスタルの造形を毎年楽しみにしてきたものです。
  
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    いつもならそこかしこに見る しぶき氷も、探してやっと見つけます。 それも何だか頼りない‥

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    こちらは堰(せぎ)の落ち込みで見つけたものですが、こんな日陰を探しては覗き込んでいるこの冬です。
  


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# by moraisan | 2016-01-13 07:14 | 自然 | Comments(6)
ガガイモの頃‥
 
  新年、久しく歩くことをしなかった野山に 孫たちに誘われるまま足を運んだ翌日。
  再び一人歩けば、その花を見ないまま過ごしてしまった蔓草が、今まさに種を風にあずけようとしていた。

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  この種子の持つ冠毛は、私の知る限り最も繊細なもののひとつですが‥

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  どうしてこれがなかなか頑固で、容易にその種子を風に放そうとしないのです。
  タンポポのそれのように、まるで無風に感じる宙に漂うような そんな器用な真似は出来ないのだから‥
  確実に遠く運んでくれる風を選びながら これはきっと待っているのかもしれない。

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  なかなか風の強い日だったのに、いつしかその風も弱まって夕暮れ時が近づいていた。
  私は何べん、いや何十ぺん この蔓草の生涯を見てきただろうかと‥ ふとそんな事を思った。
  特徴的なその葉を見つけるのは初夏の頃、盛夏の中で見る花の頃、秋草の中に一度は見失って‥
  冬の枯野の中で再び出逢う そうそれは旅立ちの今の頃。

  昨年霜月の終わり頃、大切な年長の友人が闘病の末に 旅立っていってしまった。
  秋の気配の頃からは、共に特別な時間の中にいたようで 私たちは別れの頃を生きたように思う。
  再び繰り返すことのない、ただ一度きりの時々の頃を、二十数年の長きをお付き合いいただいた。

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  夕刻の光が低く斜めに照らすころは、今は会えない人を繰り返し思い出す。
  私は天の国などきっと信じてはいない。 でもこんな光の中では、彼らでいっぱいいっぱいになるのだ。



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# by moraisan | 2016-01-10 23:56 | 山野草・樹木 | Comments(10)
 陽光‥


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# by moraisan | 2016-01-07 00:55 | 自然 | Comments(4)
満天‥

  今現在、各地に大きな爪痕を残す台風が当地を過ぎていった9日の夜‥
  すっかり膨れ上がって轟轟と流れる千曲川の傍らで、久しぶりに広がった星空を眺めていた。

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  南西の空から立ち上がる天の川に、いて座が沈もうとしていました。 空はもう確かな秋です。

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  少し西に目をふれば、盛夏の頃には一度も目にしなかった七夕星‥ 夏の大三角がくっきりと。

  満ちる天は変わりなく頭上にあるのに、 どうしてこう それを隠す雲ばかり人は見つめて生きるのだろうか‥


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# by moraisan | 2015-09-11 22:08 | | Comments(12)
雷様‥

  標高800メートルを超えるこの地でも、連日猛暑日が続いています。
  ここ二三日、雷様と一緒に夕立がやって来て、少し救われた気分です。

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  激しい夕立は天と地を繋ぐ稲妻に始まって‥

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  天空を龍が走るようになれば、 遠のいて やがておさまっていくもののようです。


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# by moraisan | 2015-08-03 18:07 | | Comments(6)
森を治める者‥  ノスリ

  私は普段、身近な三つの森を歩きます。 
  どれも近年まで、あるいは今も人の手が一部に入る若い森です。
  
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  中でも眼前にあるこの森にいたっては、ここの空気を毎日吸っているといった近さです。
  
  かつてこの森は薪炭に伐られては、また植林も試みられたし、桑やホップの畑もその一角にありました。
  細い山清水を頼りに小さな田畑が点在したのは、この地に浅い私ですら知っています。 
  時代と共に山里の暮らしは変化しましたし、高齢化と過疎化が拍車をかけたのでしょう‥
  年々人道があやしくなる一方で、けもの道は確かさを増していくようです。        

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  森とはなんだろう‥ ずっと思ってきました。
  それは人には創れない場所であり、人には計れない時間の先に存在するのだと思うようになりました。

  いわずもがな、森は多くのいのちで編まれた空間です。
  そこに一時見えるかの衰勢や強弱も おそらく幻影に他ならないでしょう。

  このノスリは毎年この森に巣を営んで今年で八年目です。 
  私の思い過ごしでなければ‥ 口笛を吹けばきっと近くに現れます。

  そしてこれこそは 間違いなく私の思い過ごしです。  そう、今この森を治めている者です。




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# by moraisan | 2015-07-22 20:34 | 自然 | Comments(6)
オオバジャノヒゲ‥

  樹下の日陰にこの花を見るなら、もう梅雨明けも遠くないと感じます。

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  小さく目立たぬ花だけれど‥

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  その趣きは どこか蘭の仲間を思わせます。


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            こんな飾り気のない花たちが 林を 森を 深くしている気がするのです。
                     


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# by moraisan | 2015-07-21 03:53 | 山野草・樹木 | Comments(0)
夏花の頃‥  ウツボグサとキバナノヤマオダマキ

  つゆ雨が小休止した途端、猛烈な暑さがやって来ました。
  開花の時期を梅雨明けに定めているかのような、夏花たちの季節の到来です。

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林の梢が開けた下には、エノコログサのような一年草が勢いを増します。 ウツボグサもそんな場所を好む花です。

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       案外どこにも咲く花は目立つので、園芸品種だと思っている人も少なからずあるようです。

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  画家で植物写真家であった冨成忠夫氏が、著作の中で『夏の花の10傑のなかに入る‥』と書かれています。
  確かにその紫の色は美しく、氏の言わんとすることが分かったような気がしたのはずっと後のことでしたが‥
  余談になりますが、氏の写真に出逢わなければ、私はこれほど長く写真を撮り続けてこなかったと思います。


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                このキバナノヤマオダマキも日当りを好む花だと思います。

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  ですから、私が好んで歩く暗い林や森にはとても少ない花で、所番地で訪ねる花となっています^^

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  ヤマオダマキの変種とされていますが、私の住む八ヶ岳周辺では圧倒的にこのタイプが多いです。
  花色の穏やかさも好きですが、ちりめん細工のような花びらは いつ見ても新鮮に目に映ります。



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# by moraisan | 2015-07-14 01:04 | 山野草・樹木 | Comments(6)
ヤマアジサイ‥

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  久しぶりに雨の上がった森を歩けば、いつもの場所にヤマアジサイの咲くのを見ます。

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  暗い森の中にあっても、この最もシンプルなアジサイは目立つことを嫌うかのようです。

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  それでもここでしかないという風にその場を占める確かさに、それこそが森の所以と感じます。

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  野生の花に完全なものを探すことは難しいけれど‥

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            木漏れ日がその花を照らしてみせるなら‥ それはいつも Perfect!




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# by moraisan | 2015-07-12 23:09 | 山野草・樹木 | Comments(6)
七夕の日、一番花‥  ヤブカンゾウ

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  はなから星空など期待できない七夕の朝。 今年最初のヤブカンゾウが咲いた。

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  連日の雨の中で晴れ間を待つかに思えたのだが、その花はそぼ降る雨の中に咲いた。

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  その朝、川内原発に核燃料装填のニュースがいとも坦々とした口調で読まれた。  情念‥

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  およそ一番花を迎えるのにはふさわしくない感情を持て余すまま‥ この花を見ていた。

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  ここまでの勝手を繰り返し許してなを、求めればこの花も雨も優しさを返すというのに。

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  実を結ぶあてのない 宙を彷徨うかたわな雄蕊が、何だか自分の心のままであるように目に映る。
  もうどんな星も人の願いなど 聞かぬのではないのか‥

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   翌朝、同じ道にこの花の二番花を見る。 一日限りの花を七つ七日咲かせるうちに、夏空が戻るのを願った。




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# by moraisan | 2015-07-10 05:35 | 山野草・樹木 | Comments(4)