大きな石 小さなロックガーデン‥

  仕事場までは急げば1分、それを3分に延ばしてこの石の脇を通ることが多い。

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  苦労して開いただろう小さな耕作地‥今は休耕地だが‥の真ん中にこの石は居座ったままだ。
  
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  それと言うのもこの石はなかな大きくて、三畳敷きほどもあるだろうか‥ 大人数人は寝ころべる。
  
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  まだ花の少ないこの時期は、特にこの石の傍にいたりする。 そこには苔と地衣がつくる楽しい庭があるからだ。

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  朝、わずかな空中の水を苔たちは巧みに捕まえている。 乾いた石の上のロックガーデン‥その秘密の一端。

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  キンシゴケ、フデゴケ、ヒツジゴケ‥ 相変わらず私の見分けられる種類は少ない。

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  いつも大きな石にもたれかかって見るのが楽ちんだし、それはジオラマの森のようであったりする。

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  それに奇妙な形の地衣類‥たぶんだが‥子器を延ばしてたりするから

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  いよいよ飽きることがないのは、森の散歩に似ている感覚かもしれない。

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  『ただひとつの石の上の世界さえ、おまえさんは知らないんだよ。』 と石は意地悪を言ったりしないけど‥

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  私は時々この石の上に寝ころがったり、その上で珈琲を飲みながら‥ そんな事を思うのだ。



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# by moraisan | 2016-03-05 09:13 | コケ・菌類 | Comments(4)
 花とあること‥

  その森の端にたどりつくだけなら線路をまたげば3分です。
  そこを歩けない日があっても、私は毎日その森を眼前に見ています。
  そして季節ごとの匂いを嗅ぎ またその吐く息を吸い、そこからの声や音を聞いて生きています。

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  だからこの森に花を見るのが何より嬉しいし、それを待ちながら日々が過ぎます。
  もうこの森は多くのフクジュソウを咲かせないし、それがこの森の今の姿なのだと感じるところもあります。
  それでも毎年数株数輪の花は、朽ち木や落ち葉をもちあげて笑うように咲いてみせます。

  この森の花たちは、共に今あること ただ共にあるのだということだけを私に知らせます。

  私もまた、ただそれだけを誰かに伝えたい‥ そんな思いだけはあります。


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# by moraisan | 2016-02-28 23:38 | 私と写真 | Comments(6)
つのぐむ頃‥  蒲(ガマ)

  雪のない山里、変動の激しい気温変化と、この春も花の開花の予測がつきにくい。
  この地に住んで四半世紀になろうというのに、年々難しくなるようです。
  そんなこともあって、町内とは言え少し遠い カタクリの自生地の様子を見に出かけました。

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  ここは自生地への入口付近。 
  今は閉じている鉱泉宿が二軒、氷ついている人口池には、ボートも浮かんだし、釣り糸を垂れる人もあったとか。
  この先は車止めになっていて入る人も少なく、おかげでカタクリの自生地は守られています。

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  池畔の木が一本、倒れこんだまま凍りついていました。 どうもニセアカシヤのようです。

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       池の水の取り入れ口付近は、わずかに水面がのぞいています。 そこに見つけたのは新しい緑。

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  この春最初に見た角(つの)ぐむ者は、いつもより随分早いガマでありました。



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# by moraisan | 2016-02-28 12:22 | 自然 | Comments(4)
 にわか雪‥

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                落ちはじめた雨は、にわかにはげしい降りの雪となりました。

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  ちょうどお昼休みの小一時間ほどの出来事は‥  見慣れた景色を不思議な絵画に見せて

                                             ‥やがて春を呼ぶ雨にかわりました。



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# by moraisan | 2016-02-20 22:38 | 自然 | Comments(10)
 春・試練‥

  雪解けを早めた雨と春陽気は、彼らに水を上げさせてすっかり起こしてしまったらしい。
  そして一日を挟んで戻って来た真冬の寒さは、容赦のない春の試練をあたえたようでした。

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  じっとロゼットで耐えていたこのセイヨウタンポポなど、凄まじい変容をとげていました。

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  枯れあがった多くの茎葉と飛ばすことの叶わぬことになった種子‥ それでその陰に守るべきものは守ったか。

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  路脇のオオイヌノフグリの色も、この頃の空に倣って 少し赤みがとれてきたようでした。

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   さらに屈んで覗き見れば この花もまたその花びらに 春を待つ試練を確かに刻んではいるのだけれど。



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# by moraisan | 2016-02-20 01:59 | 山野草・樹木 | Comments(2)
 急春‥   フクジュソウ

  いつの頃からか、この場所でフクジュソウと出逢うことが 春の初めの儀式のようになりました。
  前日の温かい雨はこの日の昼まで続いて、里山のわずかな雪をすっかり消してしまいました。

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  急な雪解けに露わになった斜面には、一見花の姿はないように見えました。

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  それでも目を凝らして見れば、いきなり起こされた蕾がそこかしこに‥

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  みぞれた雪の中で、まだ出たくはない様子のものもありました。

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  読めない春の気配にこの場所に立つのも今春三度目ですが、ようやく開き始めの花にも会えました。

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  いつもなら雪に抱かれるように咲き始めるこの花が、露わであるのがかえって寒そうでもありました。

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  雪解けの進んだ斜面の上方には、それなりの花数もあるようでした。
  ただ急な斜面は足の置き場がないことを知っているので、近づけないのは例年のとおりです。

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 急かされて咲く春でも 時折雨を落とす雲間から日が差せば、 躊躇いなく花びらを開く様はいつものとおりでした。




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# by moraisan | 2016-02-15 01:07 | 山野草・樹木 | Comments(6)
春を探しに‥

  朝の気温は相変わらずマイナス10℃前後まで下がります。
  それでも小雪に過ぎたこの冬は、山の斜面ですら地表の露わが目立ちます。
  雪明けを知らせるように咲く花が気になって、雪の様子を見に出かけました。

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         目指す場所は標高が200メートルほど高い部落。
         谷を辿る道脇にはいくつかの小沢があったりして、お気に入りの休み場であったりします。

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  気に入っているのは私ばかりではないようで、いつもお客が絶えません。      (ジョウビタキ)

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  腰をあげて歩き出せば、藪を縫ってついてくるひときわ地味な鳥に気づきます。

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  この大好きな小さな客人は、冬場だけ八ヶ岳の高地からやって来るのです。      (カヤクグリ)

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 目指した北向きの斜面は、まだ15センチ程の雪に覆われていました。 雪の下にはフクジュソウが春を待ちます。

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  気の早いのはわかっていましたから、ほっとしたり‥  でも少し残念であったり。

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  集落のはずれまでのぼれば、眼前に八ヶ岳が広がります。

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  前日の雪なのか、先日の雨氷の名残なのか‥ 中腹辺りが妙に光っておりました。

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  古くに開かれた土地である痕跡をあちらこちらに見る集落ですが、すでに限界集落となっています。

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  探している花色と同じなのでちょっとドキリ‥ この日は10頭(と)程も見ました。 (越冬するキチョウ

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  日当りの良い小さなのり面に数株咲き終えようとする花を見つけました。
  雪がなかったので、急いで咲いてしまったようでした。 今年の最初は痛々しい対面となりました。
  それでも私以上に春を待って咲いたこの花でしょうから‥ (写真の拙さはお赦しになって) ご覧くださいませ。

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  瞬く間に小半日が過ぎ家路を急ぐ頃となる。 下る程に陽は急に頼りなくなってくる。

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                            折れる角ごとの道しるべ‥

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          下りきった頃には日は山陰に落ちていて、カメラを持つ指先が痛いのに気づきます。




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# by moraisan | 2016-02-12 06:17 | 自然 | Comments(4)
 しがこ(氷)探し‥

  もはや暖冬などと喜んでいられないのかもしれない。
  まだ一度も地面をすっかり隠す雪は来ないのだし、水辺の氷さえ殆ど見ないこの冬です。

  節季は寒。 寒さに震えながらも、水辺のクリスタルの造形を毎年楽しみにしてきたものです。
  
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    いつもならそこかしこに見る しぶき氷も、探してやっと見つけます。 それも何だか頼りない‥

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    こちらは堰(せぎ)の落ち込みで見つけたものですが、こんな日陰を探しては覗き込んでいるこの冬です。
  


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# by moraisan | 2016-01-13 07:14 | 自然 | Comments(6)
ガガイモの頃‥
 
  新年、久しく歩くことをしなかった野山に 孫たちに誘われるまま足を運んだ翌日。
  再び一人歩けば、その花を見ないまま過ごしてしまった蔓草が、今まさに種を風にあずけようとしていた。

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  この種子の持つ冠毛は、私の知る限り最も繊細なもののひとつですが‥

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  どうしてこれがなかなか頑固で、容易にその種子を風に放そうとしないのです。
  タンポポのそれのように、まるで無風に感じる宙に漂うような そんな器用な真似は出来ないのだから‥
  確実に遠く運んでくれる風を選びながら これはきっと待っているのかもしれない。

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  なかなか風の強い日だったのに、いつしかその風も弱まって夕暮れ時が近づいていた。
  私は何べん、いや何十ぺん この蔓草の生涯を見てきただろうかと‥ ふとそんな事を思った。
  特徴的なその葉を見つけるのは初夏の頃、盛夏の中で見る花の頃、秋草の中に一度は見失って‥
  冬の枯野の中で再び出逢う そうそれは旅立ちの今の頃。

  昨年霜月の終わり頃、大切な年長の友人が闘病の末に 旅立っていってしまった。
  秋の気配の頃からは、共に特別な時間の中にいたようで 私たちは別れの頃を生きたように思う。
  再び繰り返すことのない、ただ一度きりの時々の頃を、二十数年の長きをお付き合いいただいた。

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  夕刻の光が低く斜めに照らすころは、今は会えない人を繰り返し思い出す。
  私は天の国などきっと信じてはいない。 でもこんな光の中では、彼らでいっぱいいっぱいになるのだ。



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# by moraisan | 2016-01-10 23:56 | 山野草・樹木 | Comments(10)
 陽光‥


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# by moraisan | 2016-01-07 00:55 | 自然 | Comments(4)