<   2016年 03月 ( 5 )   > この月の画像一覧
一番花‥ ハヤザキヒョウタンボク

  ようやく里山が目覚め始めると、この小さな目立たぬ花が気になって来るのです。
  あまり広い地域にはないようで、この花の名前にたどりつくのに少し時間がかかったのを覚えています。

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  もう十年近い付き合いなのに、少しも大きくならないようで、背丈は今でも一メートルほどの低木です。

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  見つけられることを拒むように咲く花もその木も、場所で覚えてなければ見失いそうにひそかです。
  この日もその下に首だけ突っ込んで寝ころんで見たりするのですが、どうにも捉えどころがない風です。
  多分同じこの木と花に切ったシャッターは1000回は超えているはずですが、写ってくれないのはこの春もまた‥

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  ハヤザキの名のとおり、葉に先駆けて咲くのですが、冬芽を守るようにその葉は長く残っていたりします。

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  下向きの花を二輪並べて咲く盛りには、少しは存在感も増すのですが、花の時間はとても短いものです。

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  一時間半ほども待つともなく待っていたら、ようやく一輪が蕾をほどいてみせてくれました。

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  桃色の蕊の色も翌日には失われます。 写せない花ほど立ち去りがたく、ただ傍にいて時が過ぎていくのです。




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by moraisan | 2016-03-29 23:00 | 山野草・樹木 | Comments(12)
金を播く花‥ ダンコウバイ
 
  金色と言うのがそもそもあまり好きではなかったりします。
  ただ例外があって、この花を讃えるならば 「金色」 としか言いようがない気がしてきます。

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  伸びた陽が夕刻山の端に残るようになりました。  はやる気持ちを抑えながら登る斜面に息が切れます。

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  毎年同じ場所で同じ木で‥  でも 毎年違うこの花と再会します。

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 まったくそのひと枝ひと枝を見るならば どんな優れた茶花もかなわぬといった風に活けられているのを感じます。

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            そして沈みゆく夕日の中で 「金色とはお日様の色なんだよ」 と私に教えます。
 


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by moraisan | 2016-03-23 04:17 | 山野草・樹木 | Comments(8)
木々始まる‥ ツノハシバミ

  私の通う小さな森にも 春が少しづつ近づくのを感じる頃となりました。

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  まだ冬枯れ然としている中に褐色の花‥ それはなんとも地味に春を告げます。

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  同じ日ですが、こちらは開花前。 この姿のうちは背景に溶け込んでしまい、気づかずに横を過ぎたりします。

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  房状に垂れているのが雄花、数個集まって赤い柱頭だけをのぞかせているのが雌花です。

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  この雌花の持つ小さな赤が ‥それはわずか2~3ミリ程ですが‥ 私はとても好きで、待たれます。

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        曇り空の向こうから柔らかい夕方の光が届くなら、この花も春らしい色に染まって魅せてくれます。

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  春の森に華やかさを播くダンコウバイの蕾も すぐ傍でだいぶ膨らんでいました。

  昨日はこんな春姿を見せてくれた森も、今日は一日降り続いた雪ですっかり白一色になりました。  
  ただ木々の枝に積んだ雪に、もう冬の日のような角がないことを、ツノハシバミは知っていたのかもしれません。



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by moraisan | 2016-03-14 23:14 | 山野草・樹木 | Comments(11)
氷結の朝‥ ヒメオドリコソウ

  昨日雨から変わった雪は、今朝の景色を再びの冬の姿に戻しました。

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         そこで咲くこと。 咲いた場所で全てを受け入れること。 私には到底なしえなかったこと。

               こんな小さな野の花が、なんの恐れもないという風に それをしている。



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by moraisan | 2016-03-10 21:02 | 山野草・樹木 | Comments(8)
大きな石 小さなロックガーデン‥

  仕事場までは急げば1分、それを3分に延ばしてこの石の脇を通ることが多い。

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  苦労して開いただろう小さな耕作地‥今は休耕地だが‥の真ん中にこの石は居座ったままだ。
  
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  それと言うのもこの石はなかな大きくて、三畳敷きほどもあるだろうか‥ 大人数人は寝ころべる。
  
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  まだ花の少ないこの時期は、特にこの石の傍にいたりする。 そこには苔と地衣がつくる楽しい庭があるからだ。

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  朝、わずかな空中の水を苔たちは巧みに捕まえている。 乾いた石の上のロックガーデン‥その秘密の一端。

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  キンシゴケ、フデゴケ、ヒツジゴケ‥ 相変わらず私の見分けられる種類は少ない。

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  いつも大きな石にもたれかかって見るのが楽ちんだし、それはジオラマの森のようであったりする。

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  それに奇妙な形の地衣類‥たぶんだが‥子器を延ばしてたりするから

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  いよいよ飽きることがないのは、森の散歩に似ている感覚かもしれない。

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  『ただひとつの石の上の世界さえ、おまえさんは知らないんだよ。』 と石は意地悪を言ったりしないけど‥

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  私は時々この石の上に寝ころがったり、その上で珈琲を飲みながら‥ そんな事を思うのだ。



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by moraisan | 2016-03-05 09:13 | コケ・菌類 | Comments(4)