カテゴリ:いのち( 33 )
傷蝶‥  

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  枯葉色の蝶に逢う。 からだを凍らせて冬を越したキチョウであろう。

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  一片の鱗粉も残さず落として‥  凄まじさにたじろいたのは、それでもなおを それが美しく見えたからだ。



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by moraisan | 2016-05-01 01:37 | いのち | Comments(10)
link‥  ニホントカゲ

  天候が変わるのはわかっていた。
  しばらく行けてない森に入るつもりが、入口を前にしてズミ(前記事)につかまってしまう。
  この花と再び逢うのは‥ 木の傍でゆっくり 珈琲と一本の煙草。 過ぎ去る時間に抗う 私のおまじない。

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  森の入口までの少し急な坂道はスミレたちが奥の時間を教えてくれる。
  最初がアカネスミレ、まだ日もなさそうなのに、ずいぶん花も葉も虫食いです。 森はカタクリの花を終えた頃だ。

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  斜面に片肘ついて花を覗き込んでいたら、すぐ傍で横目でこちらを見ているのに気づく。

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  この距離で最初に見つけたのが彼の方なら‥ たぶん大丈夫(何が?) 上体だけで後を追う。

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  カサカサと大きな音を立てるから‥ 狩りの名手というわけではない。

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  それでも当人はなかなか真剣に楽しんでいるのだ。 狩りではなく 生きることを。

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  曇り空からの薄日でも、春の午後は温かいから彼は時々ゆっくり目をとじる。 見ている私も眠くなる。

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  もうレンズフードの先端は目と鼻の先。 もうただ地面の上の二人きり、もう どちらがどっちだっけね。

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  急ぐ風もなく4、5メートルも先にいったのが、また戻って来たのを見て立ち上がることにする。
  カメラの履歴を見ればこの間17分ほど。 この日つかの間だけれど 彼とのリンクが取れたような気がする時間。

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  急に暗くなってきて、風も冷たくなってきた。 足元には好きなゲンジスミレも咲きだしている。

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  もう森を歩く時間はないな‥ 最初のアカネスミレに戻って撮りなおす。 その年の最初はいつも特別。

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  珍しいスミレではないけれど、好む場所ははっきりあるスミレだと思います。
  地上茎がないこと、側弁の根元に毛があること、カマキリ頭形の柱頭、僅かに翼のある葉などなど‥
  そんなことよりこの花の集いかた‥ これこそそがこの花らしく思えます。

  まもなく落ち始めた雨の中、帰り道。 気持ちばかりは小走りでした。


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by moraisan | 2016-04-28 17:14 | いのち | Comments(6)
強風の中で‥ オオヤマザクラ

  九州地方が大きな地震の災禍にみまわれました。
  いのちを落とされた方々には、無信仰の身で適切な言葉も選べないけれど‥ こころより哀悼の意を表します。
  惨状の中で生きていられる方々、多くを失われてお苦しみのことでしょう。 
  いのちがあって良かったと思える日が、一日も早く戻られますように。

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  震災に追い打ちをかけるような雨風は、ようやく咲き始めたこの地の桜をも激しくゆさぶりました。
  花びらの展開時に強風が水分を奪ったからでしょうか‥ 花びらが傷つきあるいはよじる花が目立ちました。
   
                        これがこの春の記憶に残るだろう 私の桜。



  
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by moraisan | 2016-04-19 01:22 | いのち
巣立ちの頃‥  メジロ

  そろそろ帰ろうとしてしている時でした。 傍の木でさかんにメジロが鳴きたて始めました。

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  羽を小刻みに震わせて‥

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  何やら上ばかり気にしています。

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  気がかりの正体は巣立ったばかりの雛でした。
  
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   「さあ、出ておいで」 たまらず餌で誘うようでありました。

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  すぐ近くに親鳥があらわれて‥ にやにや見ている傍観者を一睨みでしょうか。  私は退散を決めました。



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by moraisan | 2015-06-05 06:57 | いのち | Comments(10)
初夏の森のトンボたち‥ カワトンボとミヤマカワトンボ

  田植えを終えた田んぼの上をシオカラトンボが飛ぶようになりました。
  いつも歩く小さな森の細い流れの近くにも、わずかに見分けられるトンボたちが帰っていました。


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  カワトンボです。 橙色翅型と言われるタイプ。 縁紋と呼ばれる班が赤いので、これはオスです。

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  これは淡橙色翅タイプのまだ若い?オスだと思います。 白っぽいい縁紋はやがて赤くなっていきます。

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  他にも無色翅のものがあるなど、実に個性豊かななトンボです。
  同じ場所で一時間も見ていると、いくつかの個体は見分けがつくようになります。

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  そんなのを楽しんでいたら、いつしか彼らが周りに増えていて、美しい翅も初めて撮影できました。

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  カワトンボのメスです。 この日見たメスたちは、一様に無色翅のタイプでした。 
  白い縁紋とメタリックな体が特徴です。 オスの体色は次第に粉を吹いてその光沢を失います。


  
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   ミヤマカワトンボです。 多くは見分けられないないトンボたちの中で、たぶん一番好きなトンボです。

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  銅色の体に赤褐色の翅‥ 金緑色のオスも美しいですが、メスの姿色合いが圧倒的に好きです。

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  カワトンボより大きな体に小さな頭と長い脚‥ 精悍さでこれに優るトンボを私は知りません。

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  長い翅を持て余しているわけではないでしょうが、ひらひらとした翅の動きはどこかゆったりしています。

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  でも身構えた姿からは‥ 彼らがたいへん優秀なハンターであることがうかがい知れると思います。



  彼らはたとえ短い生涯であろうと、この森に生きる住人であると同時に森を造る者たちです。

  私は少し深い息を吸いたくなっててやって来る、ただそれだけの来訪者でしかありません。

  でも森はいつも寛容で、いつしか自身もそこの住人であるかのような‥ つかの間の時をくれます。

             どうぞクリック拡大して見ていただけたらと思います。  彼らを‥ 



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by moraisan | 2015-06-03 05:45 | いのち | Comments(10)
森のまなざし‥
  
  通いつめる‥ と言うよりは、目の前にある小さな森に住む母鹿です。
  毎夜、彼女の声を聞くのが常となり‥ ふだんはあまり思わないことなのに、ひと目逢って見たいと思いました。
  仕事から帰って日が沈むまでの僅かな時間、のこのこ斜面を登って行くのが日課となりました。
  山里のことですから、思いがけずに鹿に出会うことは珍しくはありません。

  ただ明確にある鹿に逢いたいと思ったことは数えるほどです。 
  理由は単純です。 その鳴き声がとても美しかったからです。

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  どこかに仔鹿を隠しているのでしょう。 最初はいつにになく険しい警戒声を短く鋭く浴びせられました。
  私は鹿の言葉を解しませんから、こちらの思いだけを口笛にこめてみるしかありません。
 
  森に入るときはこちらから口笛で合図をするのが挨拶代わりとなって数日‥ 
  返してくる声との呼応も30分、一時間と少しづつ長くなるようでした。 
  その声がいつしか穏やかになったと感じたのは、あながち気のせいばかりではないと思うようになりました。

  そして昨日、曇り空の向こうにも日が落ちたのを感じながら森を下っていたときです。
  左手斜面に視線を感じて振り仰いだ先に、その母鹿がすっかり姿を見せて私を見つめていました。

  その後ろ足は決して警戒を解いてはいませんでしたが、
  私は知る限り最も美しいと思っているまなざしと 向き合うことができました。
  声をかけたと思います。 ゆっくりファインダーをのぞきました。 
  無機質な連写音が三つ続いて、慌てのは私の方でした。
  その後30秒ほどもあったでしょうか‥ 小さく啼いて、数メートルほど先の木立の陰に姿を隠しました。
  
  私はもう振り向きもせず斜面を下りました。 時折口笛をふきながら‥
   
  返す声は下り切って私が鉄路を跨いだ後も、まったく律儀なほどに続きました。



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by moraisan | 2014-07-02 20:04 | いのち | Comments(8)
止み待ち‥

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  もう何日青空を見ない‥ 少し小止みになった夜明け過ぎ。  だいぶ立派になったな‥  (セグロセキレイ当歳)




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by moraisan | 2014-06-09 04:25 | いのち | Comments(2)
アブラチャンと落とし角‥
 
 時は少し遡ります。 まだ桜の蕾も固い四月中旬。
 前出のカタクリを訪ねる谷は、アブラチャンを訪ねる谷でもあります。

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  小さな花を重ねて重ねて、暗さの勝つ谷もひとときの明るさに賑わいます。

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  ダンコウバイよりも湿地を好むこの木は、私の周囲ではその場所が限られます。

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  香気も弱く、僅かにリモネンを含むそれを、私はとても気に入っています。

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  名のように少し油脂を感じる花の細工は、よく似たダンコウバイの華やかさはありません。  

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  カタクリは谷の底、そこへは守るように横たわる、一本のこの木の下をくぐらねばなりません。

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  春によく見る風が手折った枯れ枝かと思いました。 落とし角‥彼もこの木の下をくぐったのでしょうか?

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  四尖の立派な落とし角。 あけ四歳以上の成雄であることがわかります。
  長さは50センチを超えていて、重さも500グラムほどあります。
  十分に研がれたそれは私が手にしても凶器たりえるほどの鋭さをもっています。
  特に驚いたのが上から2尖目、先が欠けたのを見事な両刃に研ぎ上げてありました。

  こことは違った里山でダンコウバイを訪ねていた夕暮れ時。
  ほんの十数メートル横の斜面を駆け下りてきた雄鹿がありました。 
  私の存在などてんで気にならない様子で縦横にギャロップを繰り返し、その蹄の音が谷に響き渡りました。

  なわばりも解けて、ようやくの春に歓喜しているように思いましたが‥ 
  ああ‥あれは重い角を落として身軽になった喜びもあったのかもしれません。


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by moraisan | 2014-04-29 11:23 | いのち | Comments(6)
星になる虫‥ ほたる
 
 千曲川にそそぐ細い支流です。 集落を流れるそれは三面護岸ですでに川と呼べる姿を失っていますが、
  田畑を潤した後のわずかな距離、狭い谷を走る間だけ渓相を見せる区間があります。
  そこに増えるでもなく、また絶えるでもなく‥ 細々と生き続けるホタルを訪ねるのを楽しみにしています。
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  月のない夜であること。 気温が高く蒸し暑い夜であること。 辺りがの闇につつまれる前に待つ場所を決めます。

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  それは唐突に、ひそやかに始まります。 僅かに数十頭(と)‥ この狭い空間が許すその数は多くはありません。

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  羽化したホタルは一週間の命だといいます。 そして一夜のドラマはわずかに三十分にすぎません。

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  分単位で闇が深まるのを感じながら、いのちを灯しているような火を ただただ眺めているのです。

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  木の葉の一枚ほどなら闇に浮かび上がらすほどのその灯には、不思議に熱がないのだといいます。  

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  Bulbで長々と開けても木々が写らなくなる闇の中、この夜のピークがおとずれます。 ‥この間わずか10分。

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  ホタルの灯が静かに収まっていく中、ひとつふたつと離れていくホタルに気づきます。 空には北斗の七つ星。

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         それは高く高く昇っていくようでもありました。 まるでそのまま星にならんとするかのように‥


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by moraisan | 2013-07-12 02:51 | いのち | Comments(9)
山の子ら‥  (コガラ Parus montanus)

  節季は大寒に入り、寒さは厳しさを増しています。
  目に新しいものの少ない冬ではありますが、渡りの鳥たちや漂行してくる鳥たちとの出会いは楽しみです。
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  夏場は高地の森林に暮らすコガラも、山里に普通に見られるようになります。

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  種小名montanus「山」は、この小鳥の性格を良く表していると思います。

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  甘えたような声で鳴き交わしながら快活に飛び回る姿に、こころも頬もいつも弛んでしまいます。 

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  こちらはシジュウカラ。 夏場は巧みに住み分けている彼らも、共に餌を求めて移動するのを見るようになります。
  シジュウカラは窓辺の餌皿の常連ですが、コガラたちがやって来るのはいつももう少し後のことです。


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by moraisan | 2013-01-24 04:41 | いのち | Comments(6)