再来‥  セツブンソウ(3月11日)
  セツブンソウと27年ぶりの再会ができて、初めて写真も撮ることができたのが一週間前のこと。

  一週間前、しっかり開いていのがただ一輪であったから‥ ばかりではないのだけれど、再び足を運びました。
  3月11日‥ 忘れられないこの日に咲くこの花を とても見たいとも思いました。

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  花数はずいぶん増えていました。

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  朝には雪も舞ったということで、そこは先週より寒いのに。

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  この日は訪れる人も多く、狭い散策路に留まることはできません。 何度も順路を回るのを繰り返します。

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  この花は手厚く守られてています。 千曲市の市の花、天然記念物の指定を受けています。

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  小さな花ですから、こうして咲く前なら容易く踏みつぶされてもしまいそうです。

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  それでも雪の消えたその後には、誰もがそこに花の咲くのを待つならば‥

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  そしてその生きざまに思いが重ねられるのなら、この斜面からロープは消えないものだろうか?

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  一面に白く見える景色には、今度も出逢えはしませんでしたが‥

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  開くとすぐに白い花粉を解くこの花ですから、一面の満開と花姿の美しさは トレードオフであるように見えます。

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  花にバリエーションのあるのに気づきます。 左端の花は萼片が少し黄味を帯びています。

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  こちらは八重咲のもの。 まれに二輪つけているものもありました。

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  今度この花に逢うのはいつになることでしょう。 でも季節が巡って来たならば、ずっと確かに思い出せそうです。



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# by moraisan | 2017-03-14 18:25 | 山野草・樹木 | Comments(6)
再会‥   セツブンソウ (3月4日)

  長いことその出逢いに憧れを持っている そんな花が過去にはいくつもありました。
  このセツブンソウ(節分草)などはその筆頭で、長く暮らした北の地では見られぬ花でした。

  初めて見たのは半年ほど暮らした北信の地、まだ浅い春、雪の中に咲く数輪でした。
  まだデジタルカメラなどはなく、それは記憶の中に喜びと共に写し止められられただけでした。

  それから27年、同じ県内に移り住みながら身近にこの花が咲くことはなく、月日は瞬く間に過ぎました。

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   私にとって多くの花は暮らしの中で待つものです。 

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  春は特にそんな花たちが多い季節、日々の散歩の中にさえ訪ねる花は追いつかないくらいです。

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  この春、この花との再会を期して少し離れた北信の地を訪れました。
  身近な花たちが遅れていることもありますが、自身の時間を思うようになった年齢も 背中を押してのことでしょう。

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  白い花弁に見えるのが萼、紺色の雄蕊の葯、紫の柱頭、密線様に黄色いのが花弁。
  背丈数センチ、花径2センチ足らずのこの花の獲得した意匠は強力で、この花を忘れないものにします。

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  この日(3月4日)は少し早すぎたようです。 完全に開いたものはただ一輪、八分咲が数輪とひそやかでした。

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  よく保護された自生地は、盛時には一面白く見えることもあるそうです。 多くはまだ落ち葉の下でした。

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  木漏れ日が当たるというよりは、地形的に日照が遮られた斜面であるのがわかりました。
  4枚目の写真と同じ花の3時間半後。 この日この花に光が射したのは数分が数回程度でしょうか‥
  この30分後には斜面は全体が 光を失ったように見えました。





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# by moraisan | 2017-03-11 07:20 | 山野草・樹木 | Comments(0)
露結ぶ朝‥
 
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  一雫の中に収まるほどの小さな蜘蛛が、もうきちんと朝を待っている。

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                  朝露の結ぶ それが輝いて始まる 冷たい朝が好きだ。



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# by moraisan | 2016-07-09 23:14 | まばたきの記憶 | Comments(6)
La Campanella‥    ホタルブクロ Campanula punctata Lam.

  節季は夏至、一年で一番日照が長い季節が梅雨空に曇るのは本来優しさなのかもしれない。
  報じられる九州の大雨災害や、この時期の関東の水不足など、慈雨とは言いがたいこの頃ではあるけれど‥

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  和名 蛍ぶくろ(火垂る袋)は傑出した命名だと、繰り返し思います。 (当地のものはヤマホタルブクロです)

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  どうしても覗き込みたくなるのを叶える花は少ないですが、自在に出入りする虫たちがうらやましいと思ったり‥

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  道草なばかりに刈られてしまうことが多くて、群落を見ることは周りではなくなりつつあります。

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  とても情緒を感じるのを、日本的な‥と、今は素直に言えないの自分がが少し悲しかったりします。

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  同じ急斜面で、日当りのいい場所には花色の濃いものが咲き分けています。 真偽は不明ですが^^;

 属名Campanula(カンパニュラ・ホタルブクロ属)はラテン語の鐘から。
 リストの名曲La Campanella の鐘は教会のそれでなく、この属の花達からインスパオアされたのではないか?
 かつて多くのこの花の群落が梅雨の雨に弾かれるの見ながら 思ったことがあります。



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# by moraisan | 2016-06-22 05:06 | 山野草・樹木 | Comments(6)
灯ともす花‥   しろつめくさ

  夏の夕、曇り空、少し開いた空には宵月がもう高く懸かっている。
  むしょうにシロツメクサが見たくなって、サンダルをつっかけて涼みの中に歩き出す。

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  まったくどこにももあって、誰もが間違えることなくその名を正しく言い当てる花。
  身近には背丈のあるものは見かけないが、幼い日には30センチはあるようなのを、せっせと摘んだ記憶がある。
  女の子らはそれを長々器用に編んで、首にも頭にも飾るのに、少しは加勢していた気であったかもしれない。

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  宮沢賢治の童話に、この花が灯りをともす幻想的なくだりがあって、長くそれを見たいものだと思ってきました。
  木の下の暗がりに、月明かりの下にそんな つめくさを探したけれど‥ ついぞ出会うことはなく。
 
  ただ薄曇りの宵のうち、わずかに残る散光の中に、この花はわずかに灯るような気がするばかりです。

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  小さな蝶花を下から順に咲きあげるこの花は、咲き揃う時は短いですけれど‥ 
               その花にもその香にも、 地面に這いつくばるだけの価値は十分あると思います。



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# by moraisan | 2016-06-15 23:31 | 山野草・樹木 | Comments(10)
ガマズミ‥
 
   初夏の林縁に涼やかな白花は良く目立ちます。
   普通は2~3メートルほどの低木ですが、森奥になるほど競るためか、5メートルを超えるものも見ます。

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  近縁の似ているものが4種とも普通にあり遠目には迷わされます。 この距離ならよくわかるのですが‥

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  ガマズミとはおかしな名前ですが、ズミは酸実(すみ)は納得で、秋の日の実は口にして好きなものです。

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   もの静かな蕾の時、華やかな開花時、秋の赤い実の時と風情を変えて、何度も楽しませてくれるこの木です。


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# by moraisan | 2016-06-13 00:10 | 山野草・樹木 | Comments(4)
 残光‥

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  ただ この光の中に身を置きたくて‥

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                                       ‥夕暮れの森を 独り行く。





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# by moraisan | 2016-06-12 00:29 | 自然 | Comments(6)
地を這う木‥  ナワシロイチゴ

  それが木(木本)であるのか、草(草本)であるのか‥ いまだ決着のつかない植物学の課題のような木苺です。

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  道の擁壁は日当りがよく、蔓性の植物がよく育っています。ナワシロイチゴもそんな場所を好む落葉小低木です。

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    少しは立ち上がるものが多い木苺の仲間ですが、この木はほんのわずかに花をもたげるだけです。  

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  その花の仕組みは実に凝っていて面白く、虫たちとのやりとりを見るのも楽しいものです。
  花びらが雄蕊を隠して、雌蕊の柱頭だけをのぞかせるのは、自家受粉を避けるためといわれます。
  ただこの花はその根元に三角の小窓を用意します。 この小窓を持つのは他にはクロイチゴくらいでしょうか?
 
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         この小窓は虫たちのため、主に鋭い口吻を持つ蜂たちのためにあるような気がします。
           密に並んだ雄蕊の元をこじあけるようにして、ミツバチが夢中で蜜を集めます。

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             蜜源としてはかなり優秀なようで、こんな状態の花にも蜂たちは群がります。 

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  蝶たちも盛んに訪れますが、閉じた花は勝手が違うようで苦労しているようです。    (アサマイチモンジ)
  どうもlこの木は、ミツバチがより優れた受粉者であることを 知っているような気がします。


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# by moraisan | 2016-06-09 18:04 | 山野草・樹木 | Comments(8)
野なかの薔薇‥    ノイバラ
 
  入梅を前にして咲き始め、空気を匂わす花がふたつあると思っています。
  ひとつはアカシア(ニセアカシア)、もうひとつがノイバラです。
   
  ふたつはどちらも木の花ですが、背丈も随分違いますから、その香の風の運びも違うのでしょう。
  私の感覚ではアカシアはまず夜気にその香に気づき、ノイバラは日の高い日中に気づく‥ そんな感じです。

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  森に向かう路の入口あたり、日陰のノイバラは、その先の森のこの花の おおよその目安であったりします。

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  多くの花を咲かせるノイバラですが、ひとつひとつは短い花いのち‥ それをつないで咲きほこります。

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  幹を持たない野の薔薇は、森では夏草や他の低木と絡み合い そのの混沌の中に花を咲かせます。

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  棘でその身を守るかのようなのに、この蔓性の木が絡んだ他者を弱らすのを 私は見たことがありません。

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  ただ時間軸を伸展することだけに向けた野の薔薇は、誰にもまして自由に歩く木なのかもしれません。

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        夏に蜜や花粉を虫たちに、その実は冬に鳥たちに。  ‥奪うことなく、与えることが生きること‥
             もしこの野バラに信条を問うたなら、 こんな返事が返ってくるような気がします。  

紅におう 野なかの薔薇 ♪ ‥
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# by moraisan | 2016-06-06 19:08 | 山野草・樹木 | Comments(6)
共に生きた木‥  ミズキ

  この地に暮らして26年の月日が過ぎました。
  過ぎた時間を、木々の成長やまた衰退にさえ、自身を重ね見てきたように思います。
  むろん私より長く生きた木々も周りには多いですし、そこに流れる時間は同じに測れるものではありませんが。
 
  実生から見て来た木々は、途中で消えていくものも少なくなかったし、残るものも若木(おさなぎ)のままだったり‥
  ただ、もしかしたらほぼ同じ時間を過ごしたのではないか‥ そう思っている一本のミズキがあります。

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  写真では光って分かりずらいのですが、この写真のほぼ縦いっぱいにこのミズキは花を咲かせています。
  一年ごとに大枝を輪生させるミズキは、水平に広がる花の段を数えると、おおよその樹齢がわかります。
  (この木は周りの木々との関係で片持ぎみになってますが‥)  
  樹高は目測で12m以上はあって、15mには届いてないくらいかとみています。

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  下から二段目、おそらくこの木の力枝となっている大枝は、一番多くの花を咲かせて見事です。

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  年ごとに幹の生育長も枝ぶりも違うので、正確に段を数えるのは至難です。 今年で19段か、20段目‥ かな?

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  陽樹のミズキは最初期の成長が遅いので、気づけたのが5年目くらいなのかなと思います。
  その背丈は私がちょと見上げるくらい、花にはまだ早い新葉のころでした。  

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  写真の真ん中あたりに、このミズキがあります。 人家の間に見えますが、木々は一段上から森をつくっています。
  移り住んだ時に、ミズキの立つあたりの林床をさんざん歩きましたが、この木は見つけられませんでした。
  実生から5年で気づけたとして、枝の段数が20段で20年。 併せて25年、共に生きた気がするミズキです。

ミズキについて‥
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# by moraisan | 2016-05-26 21:37 | 山野草・樹木 | Comments(14)