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カタクリ‥ 春妖精

  カタクリは代表的なスプリング・エフェメラルのひとつです。
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            曇り日の肌寒く暗い林床の空気さへ、この花が明るませ染めます。

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         小沢を流れる谷の林は、外より数度も気温が低くて、まだ半数ほどは蕾のままでした。

                     ※写真は全てクリックで拡大いたします。 





  発芽から7,8年の一枚葉の時を経て、二葉になってようやく花をつけるカタクリは、
  近年自生地が減少してしまったこともあって、保護されることが多くなりました。
  私の住む町にあっても、広い自生地はここだけです。
  足の踏み場のないほどの自生地に、ゆるくロープが張られてしまうのは悲しい現実ではありますが、
  新たに鹿避けの網がめぐらされたのは、人のエゴだと言えましょう。
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  写真の中に写る松葉のように細い葉が、カタクリの実生‥ ここから長い開花までの日々が始まります。
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  二葉を得て咲くために地上に顔を出した姿は、その花の可憐さに比べれば、凄みさえ感じます。
  花を終えてしばらくすると、翌春までこの花は跡形もなく姿を消してしまいます。
  枯れ葉や立ち枯れの姿を残さずに溶けるように姿を土に返すのも、多くの他のスプリング・エフェメラルと同じです。

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  林を抜けて冷えた体が一息ついた時、頭上の山桜の蕾がずいぶん膨らんでいるのに気づいたのでした。

  
by moraisan | 2008-04-15 06:42 | 山野草・樹木 | Trackback | Comments(16)
Commented by saheizi-inokori at 2008-04-15 06:52
スプリング・エフェメラル、儚いようで実はしぶとく地下で冬を生き抜くのですね。
秋田の雪の中でカタクリの群生が咲いているのをみたことがあります。健気でした。
Commented by moraisan at 2008-04-15 20:35
>saheizi-inokori さん、こんばんは。
旭川の郊外に暮らした頃、雪融けを待って咲くカタクリを楽しみにしたものです。
雪の中で咲くカタクリ‥ 雪深い秋田ならではの景色でしょうね^^
Commented by ironsky at 2008-04-15 23:05
カタクリ、地面に低く咲いているので、踏みつけられやすくなります。
私も一度カタクリを撮影に行きましたが、平気で踏みつけている人が多いのに、驚きました。
近年、鹿の被害も増えています。
これも地球温暖化の影響があるとか。
日光の小田代ヶ原は、全体を柵で囲ってしまいました。
しかも電気を流しています。
Commented by sakusaku_fukafuka at 2008-04-16 05:21
もうカタクリの季節なんですね。
こちらはまだかもしれませんが、こちらのブログに刺激されて出かけてみようかと思っています。
カタクリの紫の花は春の代名詞ですね。
Commented by moraisan at 2008-04-16 20:10
> ironsky さん、こんばんは。
花にカメラを向ける撮影者は多いのに、何を撮影しているのかを知らない人も多いですね。
こみ上げる感情を鎮めるように花は咲き、その意味を知りたくて、蹄跡に足を重ねて歩きます。
Commented by moraisan at 2008-04-16 20:19
>sakusaku_fukafuka さん、こんばんは。
この場所は今年初めて知りました。
雪のある頃も含めて、三度目足を運びましたが、盛りと言うには少し早かったようです。
そのせいで、何万株あるかのカタクリの床に、ただ一人過ごせましたよ^^
Commented by KATEK at 2008-04-16 20:41
カタクリ,気持ちよさそうに咲いていますね。今日ちょうどテレビで柳生さんが話していました。種から育って花をつけるまで7年かかるとか。ありがたい花です。実家の近くにたくさんあったので,その頃はたいしてみませんでしたが,近づいてみるときれいですよね。この山の斜面,気持ちよさそうです。
Commented by moraisan at 2008-04-16 23:50
>KATEK さん、こんばんは。
根付くには様々条件もあるようで、私の周辺では、どこにもある花ではありません。
丈の低い花たちは、見下ろすばかりではなく、目線をその丈にあわせるとその良さに気づいたりしますね。
斜面というのもよいもので、自然に見上げる場合もあって、花の世界をさまよえます^^
Commented by mayumis39 at 2008-04-17 23:44
細い松葉のような葉から、このカタクリになるとは驚きでした。
このような自生の群生を見たことはありません・・・
大友家持が二上山で見ていたのが、このような景色だったのかしら・・・と、ふと思いました。
Commented by moraisan at 2008-04-18 07:13
>mayumis39 さん、おはようございます。
大きな葉が特徴的なカタクリと、この細い実生の葉は異なるもののように見えますね^^
豊かな水が姿を得て咲いているような、スプリング・エフェメラル‥
昔読まれたこの花も、そんな場所に咲いたのかもしれませんね^^ 
Commented by namiheiii at 2008-04-18 21:45
まだ春浅い山辺、きれいな描写ですね。moraisanさんの腕もさることながらミノルタの名機の性能に今更ながら驚いています。私は最近リュウマチのせいか手が震えるようになりました。
Commented by moraisan at 2008-04-19 01:26
>なみへいさん、こんばんは。
拝見させていただく写真からは、微塵もうかがい知ることはできませんでした。
私も別の病ながら、手足の震えに写真をあきらめた時期がありました。
旧コニミノのA2から、今はSONYのα700と変えながら、カメラの手ブレ補正機能に助けられております。
機材に助けられての撮影再開でしたが、フィルムからデジタルに変えたころ、なみへいさんのブログを知り、
そこに再び写真の楽しさを見いだしましたことは、大きな励みとなりました。
お体を大切に、これからもすばらしいお写真をお見せください。
Commented by 茜未 at 2008-04-19 09:09 x
そちらにもカタクリの自生地があるのですね。
私がよく行くお寺のカタクリや山野草も以前は盗掘されていたようです。
お寺の中でも盗掘ですからね~考えられないことですね。
そちらの自生地も後世まで残って欲しいですね。
Commented by moraisan at 2008-04-19 21:05
>茜未さん、こんばんは。
この土地に移り住んで18年、初めて訪れたカタクリの自生地です。
徒歩の範囲を越えて花を訪ねることはまれなので、同じ町内とはいえ、駅で三つは大遠征です^^;
花を持ち去る人は、何を持ち帰るのでしょうね。
この日この場所の何万株ものカタクリは、誰のためにも惜しみなく咲くのにね^^
Commented by びわのたね at 2008-04-24 13:31 x
カタクリの花の艶かしさにくらくらしました〜♪
自生している所を見た事がないのでmoraisanさんの写真で
改めてつぼみの様子など雰囲気のある花だと気づきました。
Commented by moraisan at 2008-04-25 06:29
>びわのたねさん、おはようございます。
どのような花にも持ち味というものはあるのだけれど、つくづく眺めてしまうこの花の意匠です^^
いつも想像します‥その場所に花のない景色を。
そうして花が作り出しているわずかな空間に、あらためて驚くのです^^


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