梢からの便り ‥落とし文(おとしぶみ)
  毎日上り下りしている坂道に、今年も小さな巻き文(まきぶみ)が目につくようになりました。
  オトシブミという昆虫が、卵を産みつけた揺り籠だとは知ってはいても‥これが『落とし文』でなくてなんだろう‥
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  実はこの『落とし文』を作る主を私は知りません。
  オトシブミなら見知っているのだけれど、このケヤキの葉を巻くのは、ルイスオトシブミという種類だそうです。
  ケヤキの木は高いし、わずか数ミリらしい彼らとは、十数年間この文(ふみ)だけの付き合いです。
  私はそれを読むことはできないし、当然返信もできようはずもなく‥^^;





  だれかに踏まれた『落とし文』のひとつを開いてみました。
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  『落とし文』の大きさは小さいものでも1.5センチ、大きなものなら3センチ近い長さがあります。
  このとおり、ケヤキの葉を一枚丸ごと巻いています。これを体長わずか数ミリの昆虫が作ったとは‥

   卵はいずこ‥ 
  なみへいさんのご質問にお答えする形で、写真を追加いたしました。
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  あまり適当な写真がなく恐縮ですが、このように葉先の方に一卵だけ産み付けられるようです。
  葉は主脈に沿って二つ折りにされ、葉先の方から丸められて巻紙状に。
  ほどけないように葉脚部(枝に近い葉の部分)を折り返して止めています。
  葉を所々傷つけ萎れさせて加工しやすくするようですが、一筋の糸も使わずにこの巻紙を完成させます。
  紙を葉の形に切って真似して作ってみると、その巧みさに驚いてしまいます^^
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by moraisan | 2006-05-29 23:48 | 自然 | Comments(25)
Commented by namiheiii at 2006-05-30 15:22
風雅な名前ですね。これからは地面も注意して見なくては(^0_0^)
ところで3枚目、卵はどれですか?
Commented by びわのたね at 2006-05-30 19:30 x
本当に良い名前を付けてもらえましたね・・・。
落ちているのを教えてみせてもらったことはありますが、なかなか自分で気づきません。一度自分で見つけてみたいです。
チョッキリというのもいますよね♪
Commented by ironsky at 2006-05-30 19:55
落とし文、面白い名前です。
本当に落とし文のような形をしています。
これを開いたら、短歌が出てきたりして・・・・まさかね。
Commented by kuma-boo at 2006-05-30 21:09 x
始めて奥多摩で見たとき、子供のいたずらにしては良くできているな、と感心しながらいくつか持ち帰り、一つほぐしてみると卵らしき物が一つ、植物図鑑ではないし?何を見たらと昆虫図鑑で始めてゾウムシ君と遭遇。以来、ゆりかごを見るとつい観察する癖になりました。個体により器用なのと不器用なのがいるらしく、きっちりとまいてあるのとぐずぐずのがありますね。写真の方?なかなかのアート派ですね。ケヤキ並木はすぐそばにありますので今度、注意してみます。
Commented by 夢喰い at 2006-05-30 21:19 x
ルイスアシナガオトシブミさんは赤いとても綺麗なオトシブミさんですよね。
時にびっくりしたときなど ぽとりっ! と葉っぱからダイブすることもありますよね。
私はそれで、せっかく見つけてもいつも逃げられてしまいます。
Commented by sakura at 2006-05-30 22:00 x
初めて知って、始めて見ました。”落とし文”
moraisanのところに伺って良かった!
一つ賢くなりました。有難う御座いました。
Commented by moraisan at 2006-05-30 23:29
>なみへいさん、こんばんは。
卵は小さく、先の写真ではつぶれたように不鮮明でしたので、別の写真を追加してみました。
たいていは山の斜面に落ちますが、張り出した枝から道に落ちてしまうものもあるのです。
Commented by moraisan at 2006-05-30 23:35
>びわのたねさん、こんばんは。
果実を萎れさせて卵を産むモモチョッキリなんていうのもいるそうですね。
同じような巻き文を、落とさずに木に残す種類もいるとか。
これからがシーズンでしょうか‥見つかるといいですね^^
Commented by moraisan at 2006-05-30 23:47
>ironskyさん、こんばんは。
昆虫の名前には、センスの良さに感心してしまうものが少なくありません。
シオカラトンボ、ウマオイやスズムシ、クモマツマキチョウ(雲間褄黄蝶)などなど‥
巻紙には揺籃(ようらん‥と言うそうです)の作り方が書いてあったりして‥^^
Commented by moraisan at 2006-05-30 23:51
>kuma-boo さん、こんばんは。
紙や葉っぱで真似してみますが、どうしてなかなか上手くはいかないですよ^^;
確かに少し雑な『落とし文』もあったりします^^ それでも私よりは器用なようです。
Commented by moraisan at 2006-05-30 23:56
>夢喰いさん、こんばんは。
そうなんですね、赤くて小さくて逞しい腕の持ち主。
図鑑の写真なんかをみていると、どこかで会ったような気がしてきます^^;
文と一緒に降ってこないかなあ‥と、今年も梢を見上げています^^
Commented by moraisan at 2006-05-31 00:03
>sakuraさん、こんばんは。
名前間違ってました^^; 夢喰いさんがおっしゃるように、ルイスアシナガオトシブミが正解です。
こうして文だけのお付き合い‥ブログで知り合えた皆さんとも、ちょっと似ているかもしれませんね^^
Commented by mayumis39 at 2006-05-31 01:07
その、存在は聞いてはいましたが初めてみて驚くばかりです。ほんとに小さな生き物達の不思議な世界、とてもおおきなものに見えてきます。いつか、実際に出会えたらいいなあ・・・と、思います。
Commented by mmamacat at 2006-05-31 08:33
初めて出会った 素敵な「落とし文」 驚きと嬉しさで胸がふくらみます。 自然の世界は本当に素晴らしいですね。

Commented by takopd at 2006-05-31 17:18
「落とし文」・・夢があって素敵ですね。
ケヤキの木の葉だけですか。
今度、足元もよく見てみます。

今日はとってもロマンチックな気分を味わわせていただきました。

アップしたばかりのブログですが、リンクさせていただきました。
これから楽しみに寄せていただきます。
Commented by moraisan at 2006-05-31 22:05
>mayumis39さん、こんばんは。
本当にどうしてこんな不思議なものが存在するのでしょうね^^
私たち人間が文を交わすようになったのは、ほんの数千年前でしょうか。
昆虫の歴史ならゆうに数億年‥彼らはいつから‥思いをはせます。
手のひらに拾い上げると嬉しくなります‥出会えるといいですね^^
Commented by moraisan at 2006-05-31 22:12
>mmamacatさん、静かな夜です。
見上げれば悠に20メートルもある梢から、わずか数ミリの昆虫がその存在を教えるのです^^
子孫を残す営み‥だけでしょうか? こんなに嬉しくなれるのに^^
Commented by moraisan at 2006-05-31 22:21
>takopdさん、はじめまして^^
お訪ねしてみましたら、透明感のある美しい写真に出会えました。
私もリンクさせていただきますね、よろしくお願いします。
このルイスアシナガオトシブミ、ほかにもシラカバやハンノキともあったと記憶します。
ケヤキの葉が広がりだすと、毎年この片便りを待ってる自分がいます^^
Commented by 髭彦 at 2006-06-01 11:08 x
道の端にあをく巻きたる<落とし文>見つくる人の今に昔に
Commented by namiheiii at 2006-06-01 22:13
卵の写真有難うございました。その位置は葉の先端の柔らかい部分、巻かれれば中心部に来る訳ですね。
僅か1-2ミリの小さな1個の卵、この巧妙に巻かれた揺り籠の中で孵化し葉の栄養を糧として成長するのでしょうね。でも高い木にぶら下がっていた方が安全のように思えるのに何故落とす必要があるのだろう?
Commented by ran1005 at 2006-06-01 22:24 x
私も「かた便り」手にしたことあります
読もうとして後悔しました
一度開くとはじめのように二度と閉じません・・・
この落とし文に気付かれるmoraisanがすばらしい!
たった一枚の葉で孵化できるなんて・・・
この文は実に興味深いです
Commented by moraisan at 2006-06-01 23:11
>髭彦さん、こんばんは。
この道は山の斜面の急坂で、ケヤキの根が大石を抱いて、その崩落を防いできました。
春には一抱えもある石が斜面を転げたりするのを、危険だからと擁壁を築いてしまったので、多くのケヤキはじめ多くの木々が伐られました。
それでも残ったケヤキから、今年も文が届きます。
道は道路になって、もう歩く人は少なくなり、この文も忘れ去られていくようです。
Commented by moraisan at 2006-06-01 23:24
>なみへいさん、ご覧頂きありがとうございます。
卵は0.5ミリもありましょうか‥ほんとうに小さな球形です。
しっかり葉にくっついているようではなく、静かに開かないと卵は簡単に転げ落ちます。
葉を落とす理由は、萎れさせ発酵を即して、消化しやすくするようなことを、何かで読んだ気がします。
道に落ちるのは本意ではないでしょうね^^ 
その個体、種に限れば危険や無駄が多いことも、多くの命の中では何ひとつの無駄もないでしょう。
数百年のケヤキも、数ミリの甲虫もそのことを承知しているらしいのです。
Commented by moraisan at 2006-06-01 23:31
>ran1005さん、こんばんは。
私たちが手にできる文なら、いくつ開いても、元に戻す必要などないと思います。
人がこれを見つけたなら、開いてみたいと思うでしょう。
そうしてそれが見上げる樹の、一枚の葉であることに驚くでしょう。
私たちも同じ世界の一員なのだと、その文は知らせているのかもしれません^^
Commented by namiheiii at 2006-06-02 09:01
醗酵!なるほど、この幼虫は活物寄生ではないのですね。微生物の力を借りて食料を作る。人間と同じですね。いや、オトシブミには色んなメッセージが込められているのですね!


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