ヤマセミの棲む谷‥
 
  千曲川のつくった段丘の底、私の住む場所は地形からすれば谷間です。
  その狭い谷の底を川に沿って右岸に鉄道と県道が、左岸には国道が走っている‥ そんな場所です。
e0070545_3225752.jpg
  よく人は故郷や、そこの自然を誇るけれど‥ ほんの少し川縁を歩くだけで、私は嘘だと思ってしまう。

  川の水は冬になると限りなく澄んでくる。 でも電力会社の取水で流れはすっかり痩せている。
  反対に隠す叢や木々の翳を失ったそこには、唯一人だけが残す痕跡‥ ゴミが目立ち始める。
  誰もいない川、すれ違う人もない道に 人の残したものの何と言う多さだろうか。

  もう拾いたくない、もう嫌だ勘弁してくれと 何万回思えばいいのだろう‥

e0070545_3573631.jpg
  聞きなれた甲高い声。 いつも私を笑い飛ばすやつがやって来た。  ‥ああ、わかってるさ。

e0070545_443923.jpg
  そうだ、ここはおまえの谷に違いない。 ここはヤマセミの棲む谷だ。  拾えるだけ拾ったら ‥退散するよ。



                        ※写真はクリックで拡大いたします。
[PR]
by moraisan | 2012-11-25 04:11 | いのち | Comments(14)
Commented by nenemu8921 at 2012-11-25 08:37
お早うございます。
ヤマセミの棲む谷に人は入り込み、ゴミを置いていく。。。
つらいですね。
故郷とは何かと自問したくなりますね。
ヤマセミの登場に席を譲るなんて、moraisanさんの心情が伝わってきます。
いつまでも、ヤマセミ君が健在でありますように。




Commented by 74mimii at 2012-11-25 13:43
こんばんは!
当地のアメリカヤマセミとは胸のあたりの色が違うだけで
殆ど同じの可愛いヤマセミさんに驚きました。
ゴミはあってもヤマセミさん用のお魚はいるのですねぇ。

Commented by odyssee314 at 2012-11-25 16:17 x
以前京都府の木津川が流れている自然豊かな田舎を訪れた時、
川に架かってる高い橋を渡ってぎょっとしたことがあります。
橋の下にそれはもうたくさんの折り詰め弁当のゴミが散乱してました。
田舎の自然を味わいに来てるんでしょうに、
そこら辺にゴミを捨てるという無神経さ、理解しかねます。
moraisanさん、いつもゴミを拾ってらっしゃるんですね。えらいですね。
拾っても拾ってもきりのない様、本当にうんざりしてしまいますね。
Commented by namiheiii at 2012-11-25 21:15
きれいではありませんか!ヤマセミが見られるなんて羨ましいです。
私もゴミを拾います。でもそれは撮影の邪魔になる時だけです^^; 
ゴミは最近は少しはましになって来たようです。一番困るのは犬の糞です。時々自治会で町内の清掃やパトロールをやっています。
Commented by saheizi-inokori at 2012-11-25 21:19
ヤマセミ、初めてです。ダンデイ!
Commented by moraisan at 2012-11-25 21:21
>nenemu さん、こんばんは。
ヤマセミと私の間には、決してつまることのない距離があります。
それでも時折、人との間に感じる深遠な距離が勝るのはなぜなのでしょう。
ヤマセミの寿命(6~8年程)からすれば、この地で見続けたヤマセミも既に三代目かもしれません。
縄文時代にはこの地に人も暮らしたといいます。 
いつまでも健在でいられるのかい? 問われているのは私たちかもしれません。
Commented by moraisan at 2012-11-25 21:48
>mimii さん、BElTED KINGFISHER は、学生時代 友人の身の土産のFamiliar Birds of the Northwest という美しいガイドブックで見知っていました。
アメリカヤマセミにはメスにある褐色の帯が、日本のヤマセミではオスにあるのが(正確には帯ではないですが)不意義でした。
ですからこの写真のヤマセミはオスです。
この地で釣りを覚えた私にも、十数年前ならいくらでも魚は釣れました。
進歩のない私には、もう釣れる魚もないほどになった川ですが、プロハンターの彼は、この日も何度も釣果を見せてくれました。
Commented by moraisan at 2012-11-25 21:58
>mira さん、そんなことがおありでしたか‥故国であるのにね。
ひどいものですよ。 川にはゴミを捨てに来る人が絶えません。

もし鳥やけものたちが捨てたゴミなら‥ 私は舌打ちをして拾わぬかもしれません。
でも舌打ちをしながらでも拾わぬわけにはいかないのです。
私が人の姿をしている限り‥ ここがヤマセミも棲む谷である限り。
Commented by moraisan at 2012-11-25 22:11
>なみへいさん、こんばんは。
残念ながら綺麗な光景とはいいかねます。
ただまだ残る葦原や、秩父や八ヶ岳の山々のおかげで水は澄むことを止めません。
私にとって困ってしまうのは常に人の仕業です。 私もまた人であるということにです。
Commented by moraisan at 2012-11-25 22:19
>saheizi さん、異論はありません。
そして確かに彼でありますから、ダンディでしょ!
結構大きな鳥です(鳩より大きいくらい) こんな衣装を着こなせる男なんか、人の世界にはいないかも^^
ただですね、姿に似合わぬ甲高い声が‥ だから臆せずに私もつきあえるのかな^^
Commented by ironsky at 2012-11-26 21:46
ヤマセミがいるんですね。
私もヤマセミの撮影がしたくて、あちこち行きました。
何度か出会えましたが、撮影できたのは1回きりです。

自然を楽しむという行為で、「すばらしい自然」を壊しているんですね。
人の意識の低さ、困ったものです。
Commented by moraisan at 2012-11-27 18:25
> ironsky さん、こんばんは。
はい、ヤマセミがいます。 おそらくずっと以前から。
たいへん広いなわばりを持つ鳥ですから、正確なことはわかりませんが、複数番は身近にいます。

いつの間にか人にとっての自然は、愛でたり楽しむ対象に‥またゴミを押し付ける(この国では合法であっても全ての自治体がそうでしょうね)対象にしてきました。

私がカメラを向ける対象は九分九厘が徒歩で1、2時間の範囲です。
残念ながら、手放しで素晴らしいと形容できるような自然はないように思います。
ただそこで息づく多くのいのちは 私をいつも感嘆させて止まず、生きることにいざないます。
Commented by sakusaku_fukafuka at 2012-11-30 18:29
ヤマセミはまだ実際には見たことがありません。
ちょっとホシガラスを思わせるような風貌ですね。(違うかな?・・・・・・)

川の汚れ・・・いたましいですね。
ダムは電力供給、洪水対策など我々の生活に密着した設備ではありますが、一方で水の流れを制御することで、砂が海に流れず海岸が痩せてしまう副作用もありますね。
登山をする者としては、こちらでは電力会社の送電線の巨大鉄塔が張り巡らされ、美しい景観を台無しにしております。
尾瀬の資源保護に莫大な資金を提供している、と自然保護に理解を示すジェスチャーをする一方で、ライフラインという大義名分に名を借り、堂々と自然を破壊しております。
ゴミを堂々と捨てていくことも悲しいですが、美しい自然をライフラインという名のもとに破壊していくことも悲しい現実です。
Commented by moraisan at 2012-12-01 05:05
>sakusaku さん、おはようございます。
まだこの川にゴミを捨てる人がなかった頃‥ 子供らが泳ぎに興じ、大人たちが夕餉に魚を求めた頃なら、多くの人がこの美しい鳥を見知り、その笑うような声を聞いたでしょう。

川を汚すのはただ独り人間ばかりです。 自ら汚した川を嘆き、背を向けて離れていくのも‥また。


<< 巳年スタート 雨上がり‥ >>