人気ブログランキング | 話題のタグを見る
終の朱(ついのあか)‥
  季節を分けるしっかりとした雨が上がった朝、里山は木々の吐く息の中で目覚めた。

終の朱(ついのあか)‥_e0070545_2325894.jpg
  山肌を登る煙(けむ)の中に意外に冴えた色を見る。

終の朱(ついのあか)‥_e0070545_2361026.jpg
  それはいまひとつ冴えのなかった秋のエピローグ‥

終の朱(ついのあか)‥_e0070545_2374226.jpg
 それともやがて来るモノトーンの世界のプロローグ‥
 
終の朱(ついのあか)‥_e0070545_2392665.jpg
  意外とあたたかな朝。 川霧はない。 全ては山から立ち昇り霧さへ嫌ってまたたくまに雲に連なる。

終の朱(ついのあか)‥_e0070545_23113825.jpg
  山里はまだ眠っているように静まりかえっている。

終の朱(ついのあか)‥_e0070545_2313636.jpg
  そこに見るのは終の朱、あるいは辰砂。

終の朱(ついのあか)‥_e0070545_23155670.jpg
  東を塞がれた空は西空から明るむ。 近い雲と遠い空。

終の朱(ついのあか)‥_e0070545_23164914.jpg
  雲の壁の縁にようやくお日様が手をかける。

終の朱(ついのあか)‥_e0070545_23172236.jpg
  それぞれが気に入りの場所で‥                                     (チュウサギ)

終の朱(ついのあか)‥_e0070545_23175593.jpg
  しばしその方角に目を向ける。  カメラを納めて‥私も倣ってみる。                 (カワアイサ)




                        ※写真はクリックで拡大いたします。



  長野県下は落ち葉の焚き火を禁止しました。

  いわずもがな放射能である。 ついこないだ小学校の焼き芋会の話を聞いたばかりであった。
  保育園は急遽中止‥ なんと言う世界を作ってしまったのか。

  北に生まれ育った私は落ち葉焚きにずいぶんあこがれをもっていました。
  落ち葉焚きをする間もなく、地表は雪に隠されたからでした。

  子供たちが小さい頃、山の落ち葉を畑に集めて落ち葉焚き、念願の焼き芋をしたことがあります。
  これがなかなか思った風ではなくて、焼き芋が出来上がるのに小半日はかかったと記憶します。

  落ち葉とよく似て非なるものに枯れ葉があります。
  枯れ葉はよく乾いているのですから、それはパッと燃えてしまいます。 火煙の匂いもそっけないものです。
  落ち葉はどこか生の名残をとどめるからでしょうか、こちらは煙るばかりでなかなか炎をあげません。

  実際厳密に両者を分けることは困難なのですが、落ち葉の焚き火は匂いもよくて時間をかけて燃えるので、
  焼き芋にはこちらが欠かせないと思っています。

  落ち葉を大量に作るのは、木枯らしの風であったり、強い霜であったりします。
  今年は木に止まりながら枯れ葉になったものが多い年でありました。
  林を歩いていても、いつもは立ち昇る落ち葉の馥郁たる匂いはなく、かさこそと乾いた音ばかり耳につきました。
by moraisan | 2011-11-27 01:37 | 自然 | Trackback | Comments(8)
Commented by saheizi-inokori at 2011-11-27 09:51
サザンカサザンカ咲いている、たき火だ焚き火だ落ち葉焚き、、
散歩しながらついつい口ずさんでいます。
Commented by namiheiii at 2011-11-27 11:24
落葉と枯葉、この齢になるまであまり考えたことがありませんでした。moraisanさんの鋭い感性、深い洞察力に敬服します。
写真はいぶし銀のようなまさに日本の色!3枚目、わずかに見える火の見櫓と民家の屋根、懐かしいですね。こんな火の見櫓が我が家の近くにも二つあったのですが何時の間にか撤去されてしまいました^^;
Commented by moraisan at 2011-11-28 03:40
>saheizi さん、おはようございます。
落ち葉の焚き火で暖をとる‥ 巽聖歌の詩は武蔵野だといいます。
落ち葉を降らした大樹、街路ででの落ち葉焚き‥消してきたものの様々。
ここにいたっては外を駈回る子供たちの姿まで‥消すわけにはいきません。
Commented by moraisan at 2011-11-28 04:06
>なみへいさん、おはようございます。
この火の見櫓‥ おそらく手板金なる屋根のカーブや、その四隅や避雷針に施されたちょっとした意匠など、
人工物にはあまり心惹かれない私としてはめずらしく、良くシャッターを切らされます^^;

私の中では、枯れ葉と落ち葉では少し時間の経緯がちがうようです。
原題のフランス語の意は知りませんが、有名な曲Autumn Leavesの邦題が『枯葉』、私ならAutumn Leavesに枯葉を思うことはありません。
でも今は冬‥足元には枯葉ばかりですが。
Commented by ironsky at 2011-11-28 19:53
お久しぶりです。
子供の頃には、わりと普通に見ていた風景です。
しかし、今私の近くでは、なかなか出会えません。
懐かしい気持ちで、見させていただきました。
Commented by moraisan at 2011-11-28 21:34
>ironsky さん、こんばんは。 大変ご無沙汰いたしました。
思うところもありまして、しばらく休止しておりました。
もともとironskyさんの皆勤ブログとは対照的な当方でしたが‥^^;

写真では無意識に避けてしまいますが、この地も愛しい風景の多くが消失いたしました。
喜びと悲しみの軌跡‥ 私にとっての写真でしょうか。
Commented by KATEk at 2011-12-07 13:47
moraisan さん。こんにちは。ここ何年か旅に出たことがないまま過ごしてきました。moraisanの写真を拝見してなんだか旅に出た時のような感じを味あわせていただけました。ゆっくりした時間や暗い夜、薄暗がりの木々の静けさ、ひんやりとした空気、川の流れる音、枯葉や木々のにおい・・・失われていきつつあっても、残ってくれているものたちに感謝です。
Commented by moraisan at 2011-12-08 06:50
>KATEk さん、おはようございます。
知らない土地の写真にいろいろ思いをめぐらすことは私もあります。
そういえば旅することなどめっきりなくなっている自分に気づきます。
めぐる季節に日々移ろう景色の中を生きているのも、私にとっては旅なのかもしれません‥いささか消極的ではありますが。


<< ヒカリ・マジック‥ 大好きな木の下で‥ つりばな >>