連れ去られた花‥ サクラソウ

  数年前、最初に出会った時はわずか十数株だった。
  この春、三桁の数にまで増えた群落にこころ踊った。 二週間後、花時を迎えた日‥ そこに花はなかった。

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        ようやく難を逃れた小さな一叢を近くに見つけた。 場所を間違えたわけではなかったのだ。

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                       こころなしかその花色は くすんで見えた。

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  私は花にたどり着く時に、その場所を周りの他の花によって定位することも多い。
  このサクラソウには先の二輪草や、同じく水辺のムラサキケマン(この場所の花は緋色が強い)を頼りにする。
  無残な盗掘痕になかなか静まらぬ気持ちを静めてくれたのもまた、これらの花たちであった。


                         ※写真はクリックで拡大いたします。
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by moraisan | 2010-05-24 23:59 | 山野草・樹木 | Comments(12)
Commented by namiheiii at 2010-05-25 12:13
情けない!何処にでもそんな人がいるのですね。わが近隣でも数年前大がかりな盗掘があったことを新聞が伝えていました。
Commented by sakusaku_fukafuka at 2010-05-25 17:33
持って帰りたい気持ちは分かりますが、自然の花はそこにあってこそ美しいものだと思います。
こちらでも『カタクリ』の盗掘にあい、自生していたカタクリが姿を消してしまったところもあります。
ご近所さんの話では、おそらく業者ではなかろうか、と話しておりました。
業者にしても、盗んでいった個人にしても、そういう人物が花を愛しているとはとても思えないのですが・・・

美しいサクラソウだけに悲しい話ですね。
Commented by moraisan at 2010-05-25 18:56
>なみへいさん、こんばんは。
情けない‥ その通りです。 
きっとそこだけは明るい花色が、まだ草丈の低い林床にあってあたたかく見えたことでしょう。
私は花たちがつくるその場の空気に惹かれます。 花のない景色を思い浮かべて花の咲く意味を思います。

なみへいさんの一喝、お声に力を感じて嬉しく思います^^
Commented by moraisan at 2010-05-25 19:16
>sakusaku_fukafuka さん、こんばんは。
花にしか託すことができない思い、花を献じることしかできない別れの時‥ 私もまた花を摘んで来ました。
百をはるかに超える株を掘り返す時、そこに痛みはなかったのだろうか‥ 暗澹たる思いがします。

サクラソウはその土地土地で個性がありますね。
ここのものは花弁の切れ込み浅くふくよかで、花色も浅くやさしげです。
この土地のこの場所が咲かせた花でしょうに‥ どこで咲かすというのでしょうか。
Commented by nenemu8921 at 2010-05-28 14:30
まあ、ひどい話ですね。
買う人がいるから盗掘して売る業者がいるのでしょう。
そういう人は来世では虫に転生して、来る日も来る日も、花粉を運び続ける罰を受けるのです。

サクラソウは交配栽培がさかんで、次々新しい品種が生まれますね。

かつて、我々の祖先はもっと素朴にもっと深く花も自然も愛していたのに。

そこに立ち尽くしたであろうmoraisanさんのことを想うと、つらくなります。




Commented by moraisan at 2010-05-29 07:49
nenemu さん、おはようございます。
ここは特別な保護地域でもなく、土地の所有者が了解すれば盗掘にはならないのかもしれません。
でもこの林からサクラソウは連れ去られ、その数を思うと売られたのかもしれません。
山野草が持ち去られた痕に出くわすことは多いです。
その痕跡から様々な事情背景に思いをめぐらせてみるのですが‥
この度はひどく荒らされていて、痛みと怒りしか残りませんでした。

>虫に転生して、来る日も来る日も、花粉を運び続ける‥
案外私などはそちらの方がいいかな、なんて思ってしまいますが^^
Commented by 74mimii at 2010-06-01 05:12
心の貧しい人はどこにもいますねぇ。
連れ去られたサクラソウの運命はどうなっているのでしょう・・・
思っただけで胸が痛みます。
↓二輪草の悲しいまでの静けさに
ひとしきり見入っていました・・・
Commented by moraisan at 2010-06-01 21:39
>mimi さん、残念なことですね。
けっこう奥まった場所で、一日いても人に会わない事もある所なんですが‥
高原土産に山野草を求める人も多いようで、販売所なども山麓に点在するようです。
山野草は人手に育てようとしても姿を変えてしまうことが多いのに‥
サクラソウが盗掘で絶えることはないと、私は信じます。でもどんどん人から遠ざかるでしょう。
Commented by honeyfire at 2010-06-02 17:35
moraisanさん、お久しぶりです。
ヴァカンス先のポルトガルから戻ってきたところです。
ここでmoraisanさんが書いてらっしゃる様な貴重な山草のことではないのですが、
宿泊していたホテルの敷地で見かけた一輪の開きかかった可憐なバラ、
夕暮れの優しい光の中で風に揺れている姿が詩情を誘うほど素敵で、
散歩から戻ってきたら写真に撮ろうと思っていたら、
戻ってくると、なんと誰かが切って持って行ったらしく消えてたんです。
狭い花瓶の中じゃなくて、その場所でもっと風と光の中で踊らせたかったと悲しく思いました。
花はその地に生えている姿を愛でたいものですよね。
Commented by moraisan at 2010-06-03 04:57
>mira さん、お帰りなさい。
美しい花が身近にあることはいいことです。
花を喜ぶのは人だけではなく多くあるのを感じますし、花はまたそれらのためにも咲くと思います。
花を持ち去る事情というのは様々あろうと思うし、その全てを否定するつもりはありません。
ただ今回のような痕跡にはそんな思いを描く余地もなく、呆然としてしまうしかありませんでした。
Commented at 2010-06-12 06:32 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by moraisan at 2010-06-12 15:13
>鍵コメ様。
ご心配いただきましたが、少し場所は異なるようです。
私もなかなか更新もできず、また皆さんをお訪ねすることからも遠ざかっておりました。
少しづつ状況も落ち着きましたので、ゆっくりと再始動してまいります。
鍵コメさんの状況もよくなるとよろしいですね。
最近久しぶりに山頂まで行ってきました。いつの日か現地でお会いすることがあるかも知れませんね。


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