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ナナカマド‥  茂来山麓から
  
  里山の色づきが遅れています。 もしかしたらこのまま落葉となるのか‥ 気温ばかりは十分低いこの頃。
  そんな懸念からくる寂しさも手伝って、茂来山の麓へと足を運んだのでした。
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  標高1000メートルのこの麓も、木々の色づきは浅い。 最奥になる山畑の周辺は、ナナカマドの多い場所です。
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  しばらくぶりに見る若木たちは、幾分記憶より大きくなっているようだし、ずいぶんたくさん実を生らしていました。
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  開墾という言葉がふさわしい山畑の真ん中には、このあたりのナナカマドの親木らしい数本が残されています。
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               梢は8メートルくらいもありましょうか、立派に生き抜いた木たちです。
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       もう多くの実をつける年齢は過ぎたのでしょうか‥ その実は梢のあたりにばかり目立ちます。
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          でもよく目を凝らして見れば、その実りの様は 風格さえ感じるものでありました。







  茂来山に至る登山道は三本。
  その中でも、この山畑の脇を通って登る槙沢ルートは、勾配もゆるく景色も明るいので、
  子供たちが幼い頃は好んで選んだ道でした。

  
  この山畑では、初老のご夫婦の立ち働く姿を見かけることがありました。
  さらにその先を少しいくと、細い山道の奥に、沢水を引いて岩魚を飼い、
  また鶏や犬もいるという、不思議な一軒の家があったのでした。

  今にして思えば、そこにお住まいであった方が、この山畑を開いたようにも思えるのですが、
  その家も今は空き家となって久しいようで、もう確かめようもありません。

  パイプで引かれた沢清水だけが、当時と変わず石舟に落ちていました。
  主を失ったまま伏せられた 陶磁のカップに水を受ければ、石舟の苔の上で日向ぼっこしていたのでしょうか‥
  山椒魚の一匹が、小さな水音を立てて透明な水底に消えていきました。

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  久しぶりに見る山畑は、以前より少し広くなっているようでしたが、今年は作づけられた様子もないようでした。

  当時は気にとめたことはなかったのですが、畑の傍らに小さな小屋がひしゃげて建っておりました。
  作業や農具のための小屋だったでしょうか、あるいは開墾の時の住まいでもあったのかもしれません。

  ただ当時のままにあるように見えたのは、畑の中ほどに残されたナナカマドの木。
  そしてその奥に続く、茂来山の緩やかな裾野でした。



                       ※写真は全てクリックで拡大いたします。
  
by moraisan | 2009-10-15 05:25 | 山野草・樹木 | Trackback | Comments(6)
Commented by ironsky at 2009-10-15 22:24
秋も深まってきた感じです。
朝晩の冷え込みは相当のものなのでしょう。
今度の週末は、私も紅葉を探しに出かけようと思っています。
Commented by moraisan at 2009-10-15 22:45
>ironsky さん、こんばんは。
この秋は随分遅れているような気がしています。
高山などでは早い紅葉であったようだし、予測のつかない展開となっています。
気温の方は随分低くなり、2、3度まで下がる朝もありました。
Commented by KATEK at 2009-10-16 06:33
おはようございます。今年は一回も山にいっていないので寂しい気分です。いいですね。秋の山も。青い空をボーっと眺めながら風を感じたいです。ススキの大好きなわたしは,ススキがゆれるのも楽しみです。
Commented by namiheiii at 2009-10-16 09:23
山畑の廃屋、色んな想像が浮かびますね。追憶と言った方がいいのかな。心に残る風景です。
Commented by moraisan at 2009-10-16 19:51
>KATEK さん、こんばんは。
山に出かけるというよりは、山に囲まれているような土地柄です。
それでも少しだけ里から山へ踏み込めば、静寂といい風に出会える気がします。
わずかな風を捉えてなびくススキ‥いいですね^^
Commented by moraisan at 2009-10-16 20:00
>なみへいさん、こんばんは。
過ぎた日の光景が、ある明るさを持ってよみがえる時、それはいい時間であったことに気づきます。
同じようで異なっているこの場所でしたが、秋の日差しの明るさは、そんな記憶に重なるものでした。


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